NTTコムウェアは労働組合敵視改めよ
12. 3 全労連・東京地評争議支援総行動
NTTコムウェア本社前抗議行動
 
 
不当労働行為と無期転換逃れをやめろと訴える宇佐美委員長=NTTコムウェア本社前(12月3日)
 
 無期転換逃れ裁判解決を
 
 全労連と東京地評は12月3日、すべての争議の早期全面解決を求め、争議支援総行動を東京都内で行いました。

 都内4つのコースに分かれて21カ所の企業前で抗議行動が展開されました。

 通信産業本部は、三和機材、日本IBM、NTTコムウェアなどの支援行動に参加しました。
 
 NTTコムウェア本社前では、「無期転換逃れ裁判」でたたかっている原告の石倉一実福岡支部執行委員が「いよいよ審理は終盤に差し掛かっています。

 10月に証言台に立っての人証尋問を終え、今は最終準備書面提出直前の大詰め作業の最中です」と裁判の進行を報告しました。

 石倉さんは嘱託社員として1年間の有期雇用契約を12回更新してきたこと、嘱託は有期雇用でボーナスも退職金もなく、正社員と比べると年収は2分の1程度の賃金水準であることから、これまでの期間の定めのない契約にしてほしいと訴えてきました。

 無期雇用の権利獲得まであと1年余りに迫った年、会社は突如嘱託雇用の「雇い止め」を強行し、代わりに「1年限りの地域限定正社員」へ強引な雇用替えを行いました。

 1年間だけ正社員にすることで、権利の発生を阻止し、60歳定年制によって賃金が大幅に下がる「退職再雇用者」へ移行させました。

 1年限りの「無期雇用」を挟んで賃金が半減し、生活保護レベルの月給しか得られない契約社員として、再び1年契約の有期雇用に戻り、働いています。

 石倉さんは「雇い止めを強行して退路を断ちつつ無期転換権の放棄を意味する労働契約へ追い詰めるやり方は、公序良俗に反する違法な行為にほかならない」と強調しました。
 
 
 
争議の早期解決を訴える三木JMITU中央執行委員長=IBM本社前
 
 裁判のもう一つの柱不当労働行為 
 
 裁判のもう一つの柱は、「降格問題」を中心とした不当労働行為の追及です。

 石倉さんは、無期化要求がいつまでも実現しないため、何とか打開すべく2011年に通信労組に加入。

 第1回の団体交渉を目前に控えたある日、担当課長として入社以来登録されていたメーリングリストから外され、その後「3段階降格」により一気に平社員とされ直接、経済的損失を引き起こし、明らかに労働問題としての変質を遂げたことから、提訴に至りました。

 「このような無期転換逃れの手法と前近代的な不当労働行為が、これ以上世の中に蔓延してはならないと引き続きたたかっていますので、ご支援をよろしくお願いします」と訴えました。 
 
 NTTコムウェア社に争議の早期解決を要請 
 
 NTTコムウェア本社への要請行動には、川村好伸全労連副議長、宇佐美俊一通信産業本部委員長、石倉一実原告、土方書記次長が参加しました。

 NTTコムウェア社はILO宣言まで引用した人権憲章をかかげていながら、時代遅れの労働組合敵視の姿勢を改めるべです。

 提訴から3年近くが経過したいま、「本社が争議解決の姿勢を示して早期解決を図るように」と、要請しました。 
 
 
NTTコムウェア会社に要請書を手渡す川村全労連副議長