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ご通行中の皆さん、都民のみなさんこんにちは。
いま日本の労働者は大変な状況におかれています。今の政治が国民や労働者の生活を守る立場に立った政治が行われていません。自民・公明の政治は、大企業が莫大な利益を擁護し、労働者の生活を破壊する「派遣切り」「正規社員切り」を止めようとはしていません。年度内、三月末までにさらに、製造業だけでも40万人の派遣労働者が解雇されるといわれています。
日比谷の派遣村に集まられた500名の派遣社員の皆さんは、全国の派遣切りにあわれた労働者のごく一部です。
いま、直ちに政府がしなければならないことは、1つは、大企業にこれ以上の「派遣切り」をさせないことです。政府が大企業や財界の首脳を国会に呼んで「派遣切り」をしないよう強く要請することです。2つ目は、現在解雇された労働者の生活を保障することです。社宅や単身寮にいた派遣労働者を解雇しても社宅を追い出さないようにすることです。そして、仕事を探しても仕事につけない労働者の生活を保護することです。3つ目には、政府が自ら労働者の働く場所・職場を造り雇用を拡大する抜本的な雇用対策を直ちに国会に提出し成立させることです。
いま派遣労働者方は321万人、派遣を含む非正規雇用の方は1890万人で、全労働者の3割以上(35.5%)を占めています。これは、自民・公明が作った政治による雇用破壊です。2001年小泉内閣が「構造改革」を掲げて発足し、自民・公明がこの「構造改革」路線を強力にすすめ、必要でない規制緩和をつづけた結果が現在のいまの日本を作りだしたのです。
労働者派遣法では、1999年に派遣受け入れの期間制限がなくなり実質的に自由化し、2004年には現在多くの製造業・自動車や家電に派遣労働者を使っていいとしました。この自由化によって、現在製造業で働いていた派遣労働者が解雇されているのです。まさに非正規労働者は、小泉自民・公明の「構造改革」路線が作り出した政治被害にあわれているのです。
トヨタをはじめとする自動車、家電などの大企業が、現在の「不況」を、盾に、この一年(単年度)赤字になるからといって、派遣労働者などを解雇しているのです。
みなさん、これらの大企業は、派遣労働者を雇用することで、現在まで隠し利益・内部留保金を充分に溜め込んでいます。10億円以上の大企業は、228兆円の内部留保金を溜め込んでいます。トヨタなどは、13兆円以上、NTTは、8兆5千億円などです。最大の内部留保を持つトヨタが先陣を切って「派遣切り」をやったから、「あのトヨタが・・・」他の大企業が続いて非正規社員切りをやっているのです。
この大企業の内部留保金の1%を使うだけで、40万人の労働者を解雇しなくてすむのです。
当時、「民間でやれることは民間で」と盛んに言われましたが、利益優先の民間に任すことのできない市民・国民のために必要なサービスが沢山あるのではないでしょうか。 |
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小泉内閣が進めた「郵政民営化」ば、国民にとってどうなったのでしょうか。私どもとおなじ郵政の中の労働組合・郵政産業労働組合が取組んだアンケートで、「郵政民営化でサービスが良くよったか」との問いに。「そうは思わない」が75%、配達が悪くなった54%、これは集配局が全国で1048局廃止された結果なのです。また、お年寄りなどが唯一の金融窓口である簡易郵便局は、3198局も閉鎖されているのです。これが小泉内閣の構造改革なのです。国民に激痛を与えるのが小泉「構造改革」なのです。 |
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そして、郵政より先に民営化されたNTTに対し、2001年小泉「構造改革」の目玉施策として打ち出されたのが「NTTの構造改革」であり、2002年に強行されたのが「NTTの11万人リストラ」です。
それは、50歳以上の社員を新しく作った子会社に賃金3割カットで追い出すという「50歳定年制」です。当時、その不利益を「これまでの職場で同じ仕事ができる」と言って取り繕いましたが、その後の業務の見直し・集約で、今はそれが反故にされ、営業にまわされたり、遠隔地に配転され、労働者は「裏切り行為」だと言って怒っています。一方NTT東西会社に残った社員には、見せしめの「異職種・遠隔地配転」を強行し、いまも毎年行われています。
私たちは、NTTの「50歳定年制は違法」、「本人同意のない遠隔地配転・単身赴任は無効」であり、「NTTの11万人リストラそのものの必要性を問う裁判」を全国でたたかっています。大もうけのためなら、どんなに労働者を犠牲にしても構わないとするNTTのリストラを法廷で告発し、大企業NTTの社会的責任を追及すると同時に賃金3割カットされて地域子会社で働いているNTTグループ労働者の賃金を元に戻す、「50歳定年制」の廃止に向けて、私たち通信労組は、全力で奮闘しています。 |
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いまNTTの職場は、賃金格差が広がり、正社員が減らされ、不安定な派遣・契約社員が9万人を超えています。その派遣・契約社員の皆さんが、NTTの日常業務を必死で支えてくれていますが、「雇い止め」の不安や「パワハラ」などの人権侵害が後を絶ちません。
いま問題になっている「派遣労働者」の道を切り開いたのが「NTTの構造改革」なのです。私たちは、派遣社員が日常業務をする常用代替は、違法であり、NTTの業務を働き甲斐と責任を持って滞りなく進めるためには、希望する派遣さんを正社員として雇用し、労働不安を解消すること、「50歳定年制」を止めることがどうしても必要であると考えています。 |
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この間、NTTは、偽装請負・二重派遣が発覚し、災害時に必要な公衆電話の設置台数に関して会計検査院から設置基準違反を勧告され、先日も、西日本会社の時間外労働の不払いで、900名の社員に2億円の支払いをしたところです。
NTTは、政府がNTT株の1/3を持つ、わが国で最大の半官半民の持株会社です。ですから、公共的な国民・利用者へのサービスを守らなければならない責任があるにも関わらず、これまで104番号案内の有料化、電話局の営業窓口の廃止、113電話故障受付、116の電話受付などの業務を縮小・集約し、業務を丸投げするなど、サービスを切り捨て、法律に違反する施策を平気で進める会社になっています。NTTは、すべての違法行為を改め、争議問題を直ちに解決すべきではないでしょうか。 |
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NTTは、リストラをしなければならないような赤字の企業でしょうか。決してそうではありません。NTTは、毎年1兆円以上の大もうけをしています。
私たち通信労組は、今年の春闘でNTTグループで働く労働者は誰でも3万5千円の賃上げ、非正規雇用労働者の社員化と時間給250円以上のアップなどを求めてたたかっています。これはNTTの内部留保を1・3%取り崩すだけで可能です。 |
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NTTの社員や派遣社員に計り知れない「痛みだけ」を押し付ける、史上最大・最悪の大リストラや雇用不安・パワハラが許されていいはずがありません。NTTのリストラが、いま社会問題になっている貧困と格差の一翼を担っていることは間違いありません。
NTTが日本の大企業として、雇用拡大、地域経済への貢献など、社会的責任を果たさせ、いま行なわれている非正規切りをやめさせるために、さらり皆さんと一緒に奮闘することを申し上げ、私からの訴えとします。 |
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