NTT奥村過労死訴訟(札幌高裁判決8/10)
「雇用形態選択や長期の研修が肉体的・精神的ストレス」と認定
 
 
 奥村喜勝(通信労組組合員・当時NTT東日本旭川営業支店勤務)さんが亡くなったのはNTTのリストラによる過労死であり、旭川労基署が労災と認めず遺族補償年金などの不支給は不当だとして、国を相手に不支給処分の取り消しを求めた「NTT奥村行政訴訟」の判決が8月10日、札幌高裁でありました。井上哲男裁判長は、労災と認めて処分の取り消しを命じた札幌地裁判決を支持し、「奥村さんにとっては本件研修への参加が身体への負担が大きかったことや雇用形態選択を求められて以来続いていた異動のへの不安が、大きな肉体的・精神的ストレスとなり、奥村さんの陳旧性心筋梗塞をその自然の経過を超えて憎悪させる要因となり得た」と認定して、国の控訴を棄却する判決を言い渡しました。
 弁護団を代表して高崎暢弁護士は、「奥村さんは長時間、不規則労働ではなかったが、当事者にとってストレスが過度であれば、救済されることを認めた判決で、労災問題の範囲を広げた」と評価しました。
 また遺族で原告の節子(妻)さんは、「この判決が、多くの労働者に役立てば嬉しい、夫も喜んでくれると思う」と述べたあと、記者団の質問に「優しかった夫はいつも、体の弱い私と手を繋いでくれていたが、それが出来ないのが悔しい」とNTTに対する憤りを語りました。