NTTと労働基準監督署に風穴を開けた | |
報告集会で発言中の弁護団団長の河野善一郎弁護士=10月29日、大分市 | |
「50歳退職・再雇用」制度のもとで、竹中正義さんは、上司から退職を執拗に強要され、うつ病を発症しました。大分労働基準監督署へ労災申請しましたが認められず、裁判に訴えたたかっていました。10月29日、大分地方裁判所は国に対し、竹中さんの労災不支給処分の取り消しを命じました。 |
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竹中労災訴訟全面勝利・大分地裁 | |
空気は緊張で張りつめていました。竹内浩史裁判長が主文を読みはじめました。 目を閉じ耳を澄ませました。「支給しない旨の処分を取り消す」と述べました。 勝利したんだと思い、思わず涙があふれました。竹中正義さんも涙でした。 良識ある裁判長に敬意を表します。 NTTと監督署に風穴を開けることが出来ました。本当にうれしいです。 弁護団長の河野善一郎弁護士が「勝利の方程式で勝利すべきして勝利した。そこには、こちらの動かしがたい正当な理由と判断基準があったからだ」と述べ、 @NTTの退職再雇用制度でどれだけの人が泣いてきたか A選択よってどれだけ精神的に圧力がかかったか B竹中さんに脆弱性は無い との3点を強調しました。 安東正美弁護士は、NTTというビックネームに及び腰の監督署の姿勢を痛烈に批判しました。 記事:大分支部執行委員長 尾石雄二 |
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闘い続けるすべての仲間に感謝 | |
10月29日午後1時10分、その時は訪れました。 永くつらかった日々を、走馬灯のように連れながら、勝利の判決は、ただしびれるような感覚で私の身体に染み込んでいきました。勝ったよ。心の中で妻にささやくように伝えました。 この8年余り、どこかさびついたような景色が、その時、鮮やかに赤みを増したように感じました。 法廷を出る前、無意識に裁判長に会釈をしたのを覚えています。 全国で闘い続けるまっすぐなすべての仲間に感謝致します。「本当に、ありがとうございました」。 大分支部 竹中正義 |
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竹中労災行政訴訟とは | |
「50歳退職・賃下げ再用」制度のもと、2008年の雇用選択をめぐって上司の執拗なパワハラ面談によって、08年1月26日うつ病と診断されました。労災申請を行いましたが不支給となり、再申請しましたが、09年4月、9月ともに不支給となりました。10年4月19日、国に対し取り消し訴訟をおこしました。 | |
厚生労働省は控訴するなと要請 | |
11月6日、大分労働局労災補償課長に対し、控訴をしない旨の要請書を塩崎恭久厚生労働大臣宛に提出しました。 要請書では、判決文の「心理的負荷の程度において、負荷の強度は『強』に至っているというべきで、精神障害を発症させる程度に過重なものであったと認められる」。 また、「原告が平均的な労働者の範囲を逸脱するような脆弱性があるものということはできない。精神障害の発症が原告の素因に基づくものと認めることはできない」と、述べている部分を引用し、労災申請から7年の争いになっており、早期に竹中さんが療養に専念できる環境を望む事を伝え、控訴をしないように要請しました。 |
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中央本部も11月5日、法務省、厚労省へ要請書を渡しました。 仁比そうへい議員、大槻操(小池晃議員)秘書にも参加してもらいました。 判決の内容及び「50歳退職・再雇用」制度で、社員は苦渋の選択を迫られた内容を菅原淳子特別執行委員が説明しました。 担当者は「お話を伺いましたので、持ち帰って検討したい」と答えました。 11月12日までに法務省が控訴しないことが確認され、竹中裁判は勝利が確定しました。 |
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労働局へ要請書を手渡す尾石雄二大分支部委員長(中央)11月6日 | |
法務省と厚生労働省へ要請する菅原淳子特別執行委員と高杉辰男副中央執行委員長(右) | |
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