第36回定期全国大会(2011.9.10〜11)
通信労組 第36回定期全国大会
2010年9月10日〜11日
東京都中野区・クロスウェーブ東中野
 
NTTリストラに反対し、国民・利用者のための情報通信と労働条件向上を勝ち取ろう
憲法を職場とくらしにいかし、「貧困と格差」をなくして平和で豊かな日本を実現しよう
被災者本位の東日本震災復興と原発ゼロをめざそう
あいさつする
山田委員長
東京都中野区で開催された第36回全国大会

 通信産業労働組合は第36回定期全国大会を9月10〜11日東京都内で開催しました。
討論では、NTTリストラ反対、非正規雇用労働者の雇用を守るたたかいの報告、東日本大震災の復旧の取り組みや、災害時に強い通信設備の構築の必要性が論議され、職場要求実現と組織拡大をすすめる2011年度運動方針を決定し、新役員を選出しました。
 山田忍中央本部執行委員長は、3月11日 に発生した東日本大震災と先の台風12号での被災者にお見舞いと、犠牲者への追悼の意を申し述べました。
 組織拡大では、125ヵ月連続で新たな組合員を迎え入れ、組合結成30周年の記念すべき大会を迎えたことを報告しました。
 NTTリストラ反対、50歳退職・賃下げ再雇用制度の廃止、非正規雇用労働者の正社員化・均等待遇の実現、被災者本位の東日本震災復興、脱原発、核兵器廃絶、憲法を職場と暮らしに生かそう等の運動方針を採択しました。
 来賓は、全労連NTTリストラ闘争本部長、全労連副議長・生熊茂実氏、東京地評・松本事務局長、日本共産党衆議院議員・塩川てつや氏、NTTリストラ弁護団事務局長・今村弁護士から連帯の挨拶を受けました。
 機関紙コンクールの表彰、リストラ裁判原告団および争議支援の訴えがあり、全労連通信労組共済会の総会を開催しました。

■山田忍中央執行委員長あいさつ(要旨)
大量宣伝を前面にした要求実現運動を
 
 通信労組第36回定期全国大会へ参集された代議員ならび大会要員を含む大会構成員の皆さん、大変ご苦労様です。また、この大会にわざわざおこし頂いた全労連はじめご来賓の皆様方にこの場を借りてお礼を申し上げます。
3月11日に発生した東日本大震災から既に6ヵ月がたちました。現在でも約10万名の被災者が避難と仮設住宅等での生活を余儀なくされており、被災地は未だに瓦礫の山です。また台風12号による豪雨被害もありました。 改めてすべての被災者の皆様にお見舞い申し上げるとともに、組合員の家族も含めて亡くなられた方々のご冥福を祈りたいと思います。
さて、東日本大震災では、津波被害とともに、福島第一原発事故が深刻な放射能汚染もたらし、福島県はもちろん、日本全体が被害を受ける状況にあり、現在でもその収拾の目処はたっていません。
被災者の速やかな救済や、地域住民本位の被災地の復興、正確な原発事故情報の開示と科学技術を結集した事故対応と、第三者機関による他の原発の安全性の点検、エネルギー政策の抜本的な転換などが求められているにもかかわらず、管政権は、上からの復興計画と東電まかせの原発事故対応で、むしろ被害と不安を拡大してきました。
管政権に変わって、大増税と大連立を旗印にした野田政権が誕生しましたが、震災復興が国民諸要求を抑え込む口実に使われ、消費税増税が規定路線であるかのように報道されながら、消費税増税、普天間基地問題、憲法改正問題で民主党と自民党の方向性に違いは無くなっています。
 この震災を通じて、災害に強い情報通信サービスの構築が大きく問われました。
NTT東日本は中継伝送路の2ルート化や機能分散、重要ルートの地中化をあげています。中継伝送路の2ルート化と機能分散にしても、単純なループ型2ルートであります。
回線の輻輳をどう軽減するのか、民営化以降のコスト削減ありきの「網のシンプル化」と「予防保全からアクション保全への変更」この見直しこそ必要です。
また、震災でその有用性が明らかになった公衆電話の増設問題公共施設や災害時の避難場所への増設はもちろん、この事を意識したユニバーサル・サービスの政府主導の維持管理体制の確立がどうしても必要です。
本問題としては、ユニバーサル基金の利用者転嫁をやめさせる、事業者負担にすること。ユニバーサル基金の発動によるNTT東西への年7%のコスト削減義務を撤回させ、ユニバーサル・サービスに従事する労働者の雇用の安定確保こそ問わなければなりません。
 NTTリストラ反対闘争と職場要求実現のたたかいでは、配転の違法性を問うリストラ裁判、不当労働行為救済のたたかい、NTT企業年金の給付減額反対のたたかいを通じて勝ち取った、法廷および現実の運動の成果をしっかり学び、その教訓を今後のたたかいに生かすことが求められています。
リストラ裁判と不当労働行為救済のたたかいでは、企業の配慮義務としての育児・介護休業法26条の実効性、配転の「業務上の必要性」を上回る市民的・社会的生活を含む不利益性の告発、会社の意図に反する労働者・労働組合に対する差別的扱いの排除、という点で画期的な勝利判決、命令を勝ち取りました。
NTT企業年金では減額対象者の給付水準を守らせるとともに、そのことによって、以後の受給権者まで格差の是正として一定の上積みをさせました。
遠隔地配転解消を求めるたたかいでは、何よりも個別事情を重視して社会的告発も積極的に展開することで地元復帰を勝ち取ってきました。
 組織強化・拡大のたたかいでは、NTT11万人リストラとのたたかいが始まっ2001年5月から、この9月まで125ヵ月連続、471名の新入組合員を迎えてきました。
「雇用形態選択」を迫られる50歳問題懇談会、60歳超え契約社員の労働条件の改善等、職場労働者には要求が渦巻いています。
すべてのNTTグループ労働者を視野に入れ、大量宣伝を前面にした要求実現運動の旺盛な展開と、日本の労働組合運動の新たな発展、そして、全労連・通信労組運動の一層の発展をめざして、さらに奮闘することをこの第36回定期全国大会で決意しようではありませんか。

この1年の奮闘を誓い合う代議員

■大会宣言
 
 東日本大震災と原発事故、そして、被災地の復旧・復興をめぐるその後の事態は、歴代政権と財界が進めてきた、コスト・効率化優先の経済活動や、安全軽視・利潤第一主義の原発政策の矛盾をはじめ、国際競争力最優先の財政活動、地方と公共性の切り捨てなど、日本社会の矛盾を一気に表面化させました。
しかし、政府・財界はこれまでの方針を変えるどころか、「東日本大震災復興基本法」や「社会保障と税の一体改革」、そして日本経団連の「復興・創生マスタープラン」にみられるように、災害復興まで利用して国民犠牲の「構造改革」路線を推し進めようとしています。
一方、一日も早い復旧・復興を願う被災地住民やそれを支援する国民のなかでは、それに抗して、被災地本位の復興や原発ゼロの実現を求めるたたかいが発展しており、震災復興とこれからの日本のあり方をめぐって激しいせめぎあいとなっています。
通信労組は、東日本大震災に際し、いち早く対策本部を立ち上げて組合員の安否や被災状況の把握に努めるともに、救援・復旧支援カンパにも取り組み、NTTに対しては、復旧に関わる具体的要求書を提出して一定の前進的回答を引き出しました。
 この一年、NTTリストラ反対闘争では、松山裁判と「不当労働行為」行政訴訟の勝訴を最高裁で確定させ、遠隔地配転者を地元に戻す取り組みでも東・西会社で地元復帰の成果を勝ち取りました。
また、非正規雇用労働者のたたかいでもいくつかの成果をあげ、大阪支部では北分会に続いて大阪南分会を結成するなど、新たなたたかいの展望を切り開きました。
しかしながら、組織拡大・強化の分野では、組合員の連続拡大を続けながらも記念すべき大会を増勢でむかえることができず、課題を残しました。
こうしたもとで、通信労組は9月10日、11日の2日間、東京都内で第36回定期全国大会を開催しました。大会では、今日の情勢認識を深めるとともに、通信労組運動のこれまでの成果を確信に、労働組合の機能を発揮して、職場を基礎にした要求実現運動の新たな展開をはかる運動方針を決定しました。
私たちは、NTTグループ労働者の苦しみの根源となっている株主優先・労働者収奪のNTTリストラを告発するとともに、無年金時代を前に更に矛盾を深める「50歳退職・賃下げ再雇用」制度の廃止と継続雇用制度の確立をめざしてたたかいます。
 そして、今日の格差と貧困の根源ともなっている非正規雇用労働者の正社員化と均等待遇をめざして協同のたたかいを進めるとともに、原発ゼロをはじめ国民諸要求の実現をめざしたたかいに取り組みます。
通信労組結成30周年の記念すべき本大会は、NTTグループ労働者の労働条件と社会的地位向上、日本の明るい未来をめざし、本日決定した運動方針に団結して新たな決意で奮闘することを宣言します。
2011年9月11日
通信産業労働組合第36回定期全国大会

■2011年度通信労組中央役員決まる
中央執行委員長 宇佐美俊一 (新任)
副委員長 菅原 淳子 (再任)
副委員長 飯澤 智美 (新任)
書記長 武田 清春 (新任)
書記次長 佐藤 完二 (新任)
書記次長 竹内 清文 (新任)
執行委員 青木  実 (再任)
執行委員 岡田 光雄 (再任)
執行委員 阿部 幸子 (再任)
執行委員 大村 美恵 (再任)
執行委員 高杉 辰男 (新任)
執行委員 宮崎 正光 (新任)
執行委員 新居 常雄 (新任)
会計監査 大熊 光雄 (再任)
会計監査 岡本 雄二 (再任)

■2011年通信労組機関紙コンクール
 
 2011年通信労組機関紙コンクールの審査合評会が8月20日開かれ受賞作品が決まりました。今回は14支部5分会、の合計20点(一昨年23点、昨年21点)の機関紙とビラ号外の応募がありました。表彰は第36回定期全国大会で行いました。
 
▼ 優秀賞 4支部1分会
「通信労組 おおさか」 大阪支部機関紙 B4版3週間隔
「通信労組 あいち」 愛知支部機関紙 B4版月間
「通信労組 ひょうご」 兵庫支部機関紙 B4版月間
「とんび」 広島支部機関紙 B4版月間
「兵庫分会ニュース」 兵庫支部兵庫分会機関紙

▼ 激励賞 3支部
「通信労組 みやぎ」 宮城支部機関紙 B4版月間
「通信労組 かながわ」 神奈川県支部機関紙 B4版月間
「通信労組 ふくおか」 福岡支部機関紙 B4版月間

▼ 頑張賞 1支部
「通信労組 ちば」 千葉支部機関紙 B4版月間

▼敢闘賞(ビラの部)
「通信労組 みやぎ」 宮城支部機関紙号外 A4版不定期

■ 応募機関紙作品
「通信労組 岩手」 岩手支部機関紙
「通信労組 東京支部」 東京支部機関紙
「江戸かわら版」 東京支部東京分会機関紙
「通信労組 多摩」 東京支部多摩分会機関紙
「通信労組 つなしま」 神奈川県支部横浜北分会機関紙
「通信労組 京都」 京都支部機関紙
「通信労組 すみよし」 大阪支部住吉分会機関紙
「たかみやぐら」 大阪支部平野分会機関紙
「通信労組 おかやま」 岡山支部機関紙
「通信労組 おおおいた」 大分支部機関紙