第41回中央委員会(2008.2.2〜3)
通信労組 第41回中央委員会
2008年2月2日〜3日/千葉県船橋市
 
 
春闘要求、賃上げ3.5万円決定
とめようNTTリストラ、めざそう信頼・安心の情報通信
 
 通信労組はさる2月2日〜3日にかけて千葉船橋で通信労組第41回中央委員会を開催し、賃上げ3.5万円を含む春闘方針を決定しました。
 国民春闘の重点課題として
  1. 貧困と格差、大幅賃上げと非正規労働者の均等待遇など職場要求実現のたたかい
2. 組織強化・拡大、特に非正規雇用労働者の組織強化
3. NTTリストラ裁判勝利・「50歳退職・賃下げ再雇用」廃止のたたかい
4. 信頼・安心の情報通信をめざすたたかい
5. 憲法9条を守り活かし平和を築くたたかい
6. 働くルール確立・消費税増税・社会保障制度改悪反対のたたかい
 を重点課題とした諸要求を決定しました。全国的に全労連の第2次全国統一行動に呼応し、3月13日(木)始業時から10時まで「全員ストライキ」でたたかいます。
 全国的な支援で要求実現に向け、全組合員の闘争体制を確立しましょう。

山田 忍 中央執行委員長のあいさつ
 
 第41回通信労組中央委員会に参加の皆さん、それから当中央委員会にお見えいただきました来賓の皆さん、大変ご苦労様です。
 08国民春闘のたたかう方針を決める中央委員会に際しまして、あいさつというか、報告をしたいと思います。

 昨年のNTTリストラ裁判は3月に大阪地裁、東京地裁で、相次いで判決が出されました。大阪地裁では、3名に200万円の慰謝料支払いを命じ、ただ1人戻っていない後藤原告について、「健康上の状況を確認し、その状況を十分にふまえて、適切な配慮をすることが求められる。」と、異例の指摘がありました。しかし、事実上の勝訴とはいえ、配転の業務の必要性については、安易に認めてしまった不当な判決でもありました。更に東京地裁判決は、NTTの構造改革、これを当然とした上で、原告全員の請求を却下する、異常な不当判決でありました。
 私たちは東京と大阪で、それぞれ即刻高裁に控訴をいたしました。大阪高裁では、今年3月14日の第5回期日まで確定していまして、後藤原告問題並びに各原告各々の病気疾患と配転との関わりを解明しながら、地裁判決以上の上積みを目指しています。東京地裁では、昨年10月31日、第2回控訴審で当方5名の証人申請をすべて却下するという裁判所に対し、裁判官の「忌避」を申し立て、公正な審理の追求を求めてきました。「忌避」申し立てについてはすぐに却下されましたけれども、再開後の裁判で再度の裁判官「忌避」を避けたのか、あるいは「忌避」が相当答えたのか、「現場の生の声が聞きたい」として、退職再雇用に応じざるを得なかった当方2名の証人について認めました。すでに1月21日の第4回控訴審を経て、結審となりました。今日の「タンポポ」に第4回控訴審の内容が載っていますのでご参考にいただければと思っています。
 証人拒否あるいは文書審理のみで判断する東京高裁の頑なな態度をこじ開けたものとして、この取組は大いに評価するべきものだと思います。しかしながら、3月26日が東京高裁が判決申し渡し期日と決めました。極めて早い判決申し渡しという点では、決して楽観することはできません。東京高裁に対する公正判決を求める要請署名、これを裁判官合議の始まる2月中旬までに一気に積み上げる、このことが「鍵」を握っています。
 1月23日の全動労裁判での勝利判決、あるいは一昨日の兼松江商の女性への賃金差別裁判での勝利と、あの悪かった東京地裁も流れが変わってきました。厳しいですが、あきらめず全力を尽くそうではありませんか。

 更に昨年10月には、NTT企業年金訴訟で全面勝利判決を得ました。12月には「奥村過労死裁判」で、最高裁は本人の基礎疾患による「過失相殺」のみ弁論期日を2月21日に設定しましたが、それ以外はすべて会社側申し立てを却下し、事実上勝利判決を確定しました。

 この2つの裁判の勝利は、間違いなくNTTリストラ構造改革路線そのものを、一方で断罪するものであり、私たちはそのことに大いに確信を持つものであります。

 また、秋の組織拡大月間で、私たちはリストラ闘争の初期段階に続く大きな飛躍を勝ち取ってきました。各月、5日間の「労働相談」には、2桁の「労働相談」がありました。その中で、10月4名、11月6名、12月10名、そしてこの1月3名、2月1日には更に1名、大会後25名、このうち16名が非正規雇用労働者で、現在38名が非正規雇用労働者の組合員です。
 昨年の組織拡大での最大の特徴は、大阪と神戸でそれぞれ同じ職場から10名、あるいは5名、固まって通信労組に加入されていることであります。
 NTTリストラ闘争が始まって以降、82ヶ月連続、302名の加入であります。更に現在、福岡、大阪、埼玉、山形等で「労働相談」やオルグが続けられる中で、新たな組合員を迎える努力が懸命に続けられています。
 以上のような昨年来の成果の上に立って、今年の集中点として、第1に、札幌、東京、大阪高裁、松山、静岡各地裁、中労委あるいは「60歳超え雇用延長裁判」、そしてNTT企業年金裁判で、それぞれ一つでも前判決を上回る成果を勝ち取ること。第2に、グループ内非正規雇用労働者の均等待遇、正規化への制度化に向けて少なくとも時給100円上積みを具体的に勝ち取るため、共同の具体化の追求を強めること。更に公然化を前提にした組織化の中で、要求・交渉を通じ、実態を告発するとともに、何よりも「雇い止め」を許さず、全社員の賃金底上げを目指す、このことに全力をあげようではありませんか。

 次に、情報通信の公共性を巡る問題であります。2010年までに3、000万光化目標に対して、昨年11月、NTT持株・三浦社長は、2、000万に目標を下方修正しました。これは、現在ある固定電話の3分の2の4、000万加入が、結果として何らかの形で2010年までにアナログ網に残ることであります。一方で、いまNTTグループでは、アナログ網について、徹底した効率化とコスト削減を進め、カネ・人材ともに光化や次世代ネットワークに投入しています。しかしながらこの下方修正によって「業務運営体制の見直し」があるのかどうか、という問いに対して、NTT西日本は、「見直しはない。増収・サービス向上・コストダウン、この3つの柱に経営改革に取組むミッションは変わらない。光の拡販と利益の確保の両立を追求するだけだ。」こういって将来見通しは一切示せず、ひたすら単年度黒字の追求をしゃにむに進める、それしかない、この態度を示しました。結果としてアナログ網への手抜きにつながり、このままではとんでもないことになる。改めて既存のアナログ網の維持をどうするのか、このことが問われています。そして何よりも国民の消費購買力の回復こそ、NTTの進める新サービスの普及につながり、豊かな情報通信の発展が国民利用者の利便の向上と、公共性のいっそうの発揮につながるということであります。

 NTT労組が、会社都合を最優先して早々と賃上げ要求を放棄しました。私たちの目指す方向こそ、NTTの豊かな発展を目指す方向であるということではないでしょうか。

 貧困撲滅・ストップ改憲、08国民春闘こそ、日本経済立て直し、あるいはNTT経営を立て直す出発点として、絶好のチャンスといえます。豊かな国民生活、平和な日本を確固とする方向へ全力をあげて奮闘しようではありませんか。共にがんばりましょう。

降雪に見舞われた会場の「セミナーハウス クロス・ウェーブ船橋」