2021年「働くみんなの要求アンケート」報告
 
 JMITU通信産業本部は、2021年国民春闘で生活に根ざした要求を作り上げるために「働くみんなの要求アンケート」と「かんたん家計簿調査」に取り組みました。

 ご協力いただきました多くの皆さまにお礼申し上げます。
 
 生活実感は
 
 非正規雇用ではたらく社員の生活実感
 
 非正規雇用労働者では
「かなり苦しい」40.3%
「やや苦しい」39.3%。合わせて79.6%の人が「苦しい」と答えています。昨年より2.5%増でした。

「まあまあだ」が18.4%

「ゆとりがある」はわずか1.5%でした。 
 
 
社員の生活実感 
 
社員では 
「やや苦しい」と「かなり苦しい」を合わせると59.6%%

「まあまあだ」が26.9%

「ゆとりがある」と回答した人は11.6%%でした。 
 
 賃上げ要求額は
 
 非正規雇用労働者の賃上げ要求額の内訳は、

時給400円以上が34.0%と一番多く
次に100円が20.4%
200円が16.5%
300円が13.6%でした。

 社員の内訳は

1万円が26.9%で一番多く、
2万円が16.0%
5万円が14.1%
5千円と5千円未満がともに12.2%
3万円が10.3%などとなっています。
 
 
非正規雇用労働者の賃上げ要求額
 
 
社員の賃上げ要求額
 
 大幅賃上げで景気回復を
 
 NTTグループ各社は2016年春闘から、社員に一律ベースアップを含む回答を行ってきました。

 しかし2020春闘では資格等級ごとに引き上げ額に格差を設け、成果手当の配分も平均評価以下を削減し、上位評価にはさらに厚く積み上げました。

 一人平均2000円のわずかな賃金引き上げのなかで格差を拡大させています。

 また60歳超え「月給制」契約社員には、職務加算額の改善、特別手当の支給率を増額しましたが、「時給制」契約社員には、またも「ゼロ回答」と年収の更なる格差拡大という不当な対応を行いました。

 NTTグループで働く派遣・契約社員は、事業で大きな役割を担いながらも社員との賃金・労働条件の格差のもとで、10年以上働いても昇給ゼロなどの低賃金で働かされています。

 コロナ禍の今、すべての労働者の大幅賃上げと均等待遇を実現し、実質賃金を向上させることです。

 労働者の生活向上で個人消費を増やし、日本経済を立て直すことです。
 アンケートに寄せられた声
●手取り15〜16万円で生活が苦しい。
仕事内容と賃金が見合わない。
基本給があまりにも低い。
転勤してさらに手取りが減った。(50代・女性)

●給料がまったく上がらない。
毎年少しでも増えればいいが、このままでは生活できない。(50代・女性)

●無期雇用になっても社員と同程度の賃金補償は無く退職金も無い。
雇用も保障されていないので不安です。(男性・40代) 
 
 社員「成果・業績主義」賃金制度について
 
 
 
 
 
【やめるべきだ】は43.6%でした。

【このまま続けて充実させればよい】48.1%が回答しています。

しかし「評価査定についてどう考えますか」では

【評価方法や評価基準が不透明で、適当に決めているように見える】は56.4%、

【恣意的に評価されていて、納得いかない】は15.4%と合わせて71.8%が評価に不信を持っています。
 意見では

●評価に公平性がない。(40代・女性)

●最初から高評価を付与する一部社員が決まっている。特に退職金と職級に影響する年間評価は酷い。(50代・男性)

●表に見える仕事やアピールする人は評価しやすいが、数字に出ない業務はどのように評価されているのかわからない。(50代・女性)
 
 仕事や職場について(派遣・契約)
 
 派遣・契約社員が「仕事や職場で特に不満に思うこと」は
【賃金が安い】が72.3%と高く、

【正社員との賃金・労働条件の格差】が48.1%、

【退職金が無い・少ない】が25.7%、

【職場や仕事がなくなるのでないか】が22.8%、

【技術・経験が継承されていない】が15.0%、

【仕事がきつい】が14.6%です。

賃金や労働条件の格差への不満や雇用への不安が上位を占めています。
 派遣・契約社員から多くのご意見が寄せられています

●社員と同等もしくはそれ以上働いているのに賃金が安い。
やる気が出ない。(50代・女性)

●派遣社員なので3年経てば直接雇用か契約終了かの選択がある。
直接雇用になったら派遣より時給が下がり生活が苦しくなる。
長く働き続けたいので時給をあげて欲しい。(40代・女性)

●コールセンタはほとんどが有期雇用で時給制。
残業がなければ手取り14〜16万円台。
トイレ休憩20分というルールでひたすら電話を取り続け、不安と不満からストレスも多く、前向きに取り組める仕事や職場ではない。(50代・女性)
 
 
派遣・契約社員が「仕事や職場で特に不満に思うこと」
 
 
社員が「仕事や職場で特に不満に思うこと」
 
 家計簿調査が示す契約社員の生活苦
 
 Aさん あと3万円ほどの賃上げが特効薬
 
 
 
 自分の生活状況はアパートで一人暮らしです。
ほとんどが口座振替で支出しています。

 現金での支払いはクリーニング代、行動での駐車場代金などです。

 今回の家計簿調査で月払として記入しましたが、賃金以外の収入(公的年金など)がほとんど2か月に一度の入金(収入)となっております。

 ここで余裕がないと突然の支出(冠婚葬祭など)が生じた場合、ひと月の収入だけでは余裕が出てきません。

 小遣いも考えながら支出しています。

 やはり賃金引上げがどうしても必要です。「あと3万円ほど」が特効薬ではないでしょうか。
 
 Bさん とても切り詰めて生活している 
 
 
 非正規雇用として働いて15年4カ月、フルタイムで年収180万円、時給は上がらず年々貧しくなっています。

 健康で楽しく暮らすための食費、医療費以外は、とても切り詰めて生活しています。

 私が会社に要求したいのは、契約社員シニアになると時給減額、シニアでない人との福利厚生の差について改善を求めたいです。

 今、テレワークができない私たちの職場では時差出勤をしています。

 健康と安全のためコロナ対策として会社の責任でPCR検査をしてほしいです。
 
 
 JMITU通信産業本部 調査部