賃上げゼロ回答に対する声明
内需拡大に背を向ける賃上げゼロ回答に抗議
NTTグループ経営幹部は社会的責任を果たせ
 
2009年3月21日
通信産業労働組合
 
 3月19日、NTTグループ各社は、通信労組に対して昨年並の特別手当と夏期連続休暇の取得期間の拡大、非正規社員の定期健康診断の一部実施等について回答してきた。

 かつてない経済悪化のもと、貧困と格差をなくし、内需拡大による経済再生が求められている09春闘で、自動車、電機など金属産業大手は、18日に、ベアゼロ、定昇凍結、特別手当減額など、事実上の賃下げ回答を行っている。体力も十分ある日本の大企業が、景気回復に背を向け、内需拡大の保障となる賃上げに応えないことは、不況をいっそう深刻な状況に追い込むものである。さらに、政府さえも大企業に内部留保の活用を促さざるを得ない状況のもとで、今年度国内最高利益が予想されるNTTグループが、その内部留保8兆8千億円を一切活用することなく、賃上げゼロに固執することは到底許されない。こうした態度は、内需拡大によって可能な事業発展の先行きを詰まらせ、それによって光2000万加入の実現さえも遠のくに違いない。まさに、経営幹部の責任が厳しく問われているのである。

 通信労組は、「誰でも3万5千円の賃上げ」「非正規雇用労働者の時給250円の引き上げ」の要求が、内部留保の1.3%を取り崩すだけで可能であることを示し、さらに1万1千円(単位株5万円の2割2分)にまで膨れ上がった株主配当や膨大な自社株買いを見直して、賃上げ要求に応えるべきであると主張してきた。もとより、3万5千円の賃上げ要求は、労働者の切実な生活実態から出されたものであり、2001年に「成果・業績主義」賃金制度導入以降、年齢賃金による定期昇給が廃止されたなかで、5千円賃上げ7年分の要求に過ぎない道理も根拠もあるものである。

 NTTグループ各社は、「内需拡大は他企業で」との姑息な態度をあらため、いまこそ率先して、「賃上げと雇用確保」を実行して企業の社会的責任を果たすべきである。労働者の切実な要求に背を向け、賃上げゼロ回答に固執するNTTグループ経営幹部に猛省を促し、再検討を要求するものである。
以 上


NTTグループ各社の回答状況(クリックで拡大)

東京・地域会社・NTT田畑ビル前にて(3月12日)