提  言(機関紙『通信労組』第323号)
時代錯誤の東京高裁判決、組織拡大の飛躍で跳ね返そう!!
2008年4月5日
 
 3月26日、東京高裁はNTTの利益を一方的に擁護する判決を下しました。「本件構造改革は労使の利害を調整した全く合理的な施策」と断じ、それに基づく「各配転は業務上の必要性が認められる」として、年齢差別や異職種・遠隔地配転による様々な不利益は、「任意の選択」であり「通常甘受すべき程度の不利益にとどまる」と切り捨てました。
 なくせ貧困!の国民諸階層の運動が急速に強まり、格差と貧困をもたらした構造改革路線の見直しが問われているのが今の日本社会です。
 3月1日施行された労働契約法でも、契約の変更に当たっては「仕事と生活の調和」を大前提にしており、正社員を派遣社員に置き換える「常用代替」は「してはならない」と福田首相が言明し、舛添厚労相も「使い捨てという形で労働者を扱ってはいけない」と言わざるを得なくなっています。
 開会中の通常国会でも「燃料の暫定税率廃止」と「後期高齢者医療制度の施行中止」の論戦が中心課題となり「労働者派遣法の抜本的改正」を求める世論も急速に高まっているのが特徴です。
 今、日本社会では、労働者の生活と働き方の改善こそが求められているのであって、いまだに構造改革路線を全面的に美化するのが裁判所なら時代錯誤も甚だしく、法の番人とは言えない存在です。
 当然、最高裁での逆転勝利へ向け、公正判決を求める要請行動や社会的に訴える取り組みを今まで以上に強めることはいうまでもありません。
 しかし、裁判の結果に関わらず、何よりも労働者の使い捨てを許さず、人権無視の労働者いじめをやめさせる怒りの声を結集し、企業の社会的責任を果たさせる要求実現運動で職場労働者を大きく組織することが勝利への大道です。
 組織拡大運動の一大飛躍を勝ち取り不当判決を跳ね返しましょう。