12月8日、最高裁はNTTリストラ大阪裁判の上告棄却を決定し、大阪から名古屋へ配転された原告17名の大阪高裁大勝利判決が確定しました。
見せしめ配転の違法を断罪
この裁判は、2002年に行われた「構造改革」リストラで、NTTに残る「選択」をした労働者に行われた報復・見せしめの遠隔地配転の違法性を問い争われてきたもので、大阪高裁は、大阪から名古屋への配転の違法性を認め原告17名に総額900万円の慰謝料支払いを命じていました。
確定された高裁判決は、長時間の新幹線通勤や単身赴任を伴う配転について、「そのような負担を負わせてまで従業員を配転しなければならないほどの業務上の必要性を認めることはできない」と断じ、「長距離通勤による肉体的・精神的負担、自宅で過ごし余暇や地域活動にあてる自由時間の減少」や「単身赴任にともなう精神的ストレス、日常生活のための自由時間の減少、二重生活および帰省の必要による経済的負担」を「共通の不利益」と認定しており、NTT西日本の行った見せしめ配転の不法性と不利益が裁判所によって厳しく断罪されたのです。
地方からの配転者の上告も棄却
しかし同時に、九州や中国・四国などから配転された原告4名の上告も棄却されたことは不当です。最高裁が、高裁判決の認めた不合理な配転の事実に目を向けず、本件配転の全てに正義の判断を示さなかったことは極めて残念です。
謝罪し、見せしめ配転と「退職・再雇用」制度を止めよ
NTT西日本はこの確定判決を真摯に受け止め、原告全員に謝罪をすべきです。そして、現在も争われている他のリストラ裁判の解決を図り、今日まで続けられている見せしめの遠隔地配転を直ちに撤回すべきです。そしてなにより、「50歳退職・賃下げ再雇用」制度を即刻廃止しなければなりません。 |