昨年は、2月にNTTリストラ松山裁判が最高裁で上告棄却となり、「再配転は、本人が希望する勤務地に原則として戻さないことを前提とした、不当な差別的意図を推認することができる」として「配転命令権を濫用して命じられた違法な命令だ」と指摘した高裁での勝利判決が確定しました。 5月には、中労委行政訴訟が最高裁で上告棄却となり、NTT西日本会社の不当労働行為を断罪し、謝罪文の手交を命じた勝利判決が確定しました。 全国の仲間と支援団体・支援者による運動の成果であることに確信を持ち、判決を生かす取り組みと、「50歳退職・賃下げ再雇用」制度廃止と共に、静岡裁判勝利に向けた取組みを広げていくことが重要な課題です。 11春闘山場の3月に発生した、東日本大震災と福島第一原発事故という未曾有の大災害は、多大な被害の爪あとを残しましたが、震災復興にむけて多くの国民や世界中の人達から支援が寄せられ、復興に向けて被災地で地元住民を中心に動き出しています。しかし、本来中心となるべき民主党野田政権は、復興財源を口実にした庶民増税を提案しながら、法人税減税で食いつぶす法案を提出し、アメリカやグローバル大企業を優遇し国内産業を破壊するTPP参加や、今年はデフレ不況を更に深刻化する消費税10%への増税で国民に目を向けない政治を強め、民主党が否定し、国民がNO!の判断をしたはずの構造改革路線の再編強化をもくろんでいます。 資本金10億円以上の大企業は256兆円もの内部留保を溜め込み、流動資金は60兆円を超える金余り状態となっています。しかし一方では、非正規雇用労働者の割合は40%にとどく勢いで増加しています。NTTはグローバル戦略を強化し、M&Aを繰り返し、内部留保は9兆5700億円にも達し、NTTグループの役員報酬額は3年間で509万円もの増額と株主への増配を行っています。 12春闘は99%の労働者と国民が団結して「貧困と格差」をなくし、大企業の内部留保を賃金引上げや国内需要の拡大に振り分けさせましょう。 そして、2012年を国内不況とデフレの連鎖の悪循環を断ち切る年とするために共に奮闘しましょう。 中央本部執行委員長 宇佐美 俊一 |
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