[声明]中労委で画期的勝利命令
NTT西日本の配転に関する団交拒否は不当労働行為
 
2008年11月1日
通信産業労働組合
 
1. 中央労働委員会は、10月31日、「通信労組に対する不当労働行為」救済再審査申立事件に対し、命令書を送付してきました。その内容は、11万人リストラの「構造改革」に伴う「50歳退職・賃下げ再雇用」制度の導入に関する不誠実団交と配転に関する団交拒否は、不当労働行為(労働組合法第7条第2号違反)であると認定し、「今後このような行為を繰り返さないようにいたします」との誓約文を通信労組に提出せよとNTT西日本に命じたものです。この中労委命令は、大阪府労働委員会では認められなかった配転に関する団交拒否が、不当労働行為であると認めたもので、その意義は極めて大きいものです。
2. 中労委命令は、@11万人リストラの手法である「退職・再雇用」制度導入に際し通信労組への当初提案資料において、NTT労組と比べて内容面で大きな差異があると認定、A本件「退職・再雇用」制度の説明時に、NTT西日本の財務状況、新設子会社の設立スケジュール・業務概要・経営方針などの資料提出をしなかったことは誠実交渉義務違反、B労働条件面の要求や質問に対し、NTT西日本が具体的な説明を行わなかったことについても、NTT労組と比べ大きな差異があり誠実交渉義務違反、C通信労組から、頻繁に、かつ、機敏に団体交渉を設定するよう再三にわたる要求を受けても、団体交渉期日設定の対応を改善しなかったことに対しても誠実交渉義務違反、D「雇用選択」時のみなし規定の導入、「意向確認」の実施について、NTT労組との合意後に通信労組に提案し、交渉を十分に行わないまま実施した対応も誠実交渉義務違反である、と認定しました。
 そして、異職種・遠隔地配転で単身赴任や長時間通勤が想定される配転に対する団交の申入れに応じなかった対応は、労働組合法第7条第2号の団体交渉拒否に当たると断定しました。
3. NTT西日本は、中労委命令に従い通信労組に対して速やかに誓約文書を手交し、今日まで続けている通信労組に対する不誠実な対応を厳に改め、今後このような行為を繰り返さないことを明言すべきです。その上で、こうした不法な対応によって導入された「50歳退職・賃下げ再雇用」制度を速やかに廃止するとともに、業務上必要のない遠隔地配転者を直ちに地元に戻し、現在も争われているNTTリストラ裁判を直ちに全面解決すべきです。
4. この画期的な中労委命令を勝ち取ったのは、全労連NTTリストラ闘争本部をはじめ、中央単産、県労連やNTTリストラ反対のたたかいにご支援いただいたサポーターをはじめ皆さまの大きな力によるものであり、心よりお礼申し上げます。また、本闘争を支えていただいた弁護団のご尽力に感謝申し上げます。
通信労組は、引き続き、違法・脱法のNTTリストラとたたかうとともに、全てのNTTグループ労働者の権利と生活を守り向上させるために、全力を挙げて奮闘する決意です。
以 上