提  言(機関紙『通信労組』第334号)
09春闘は雇用も賃上げも 大企業は内部留保取り崩せ
2009年3月5日
 
 アメリカ発の金融危機で外需頼みの日本経済は大混乱と景気後退を引き起こし国民生活を破壊しています。しかし、日本の政府、財界・大企業は、それでも利益優先の経営に固執し、この危機を労働者と国民犠牲で乗り切ろうとしています。今、急速に広がっている非正規雇用労働者の大量解雇や新規採用の抑制、下請け整理などのリストラはかえって消費や地域経済を疲弊させ、さらに格差を拡大して新たな貧困をつくりだします。この間の非正規雇用労働者の労組結成によるたたかいや昨年末からの「派遣村」への支援の広がりは、「構造改革」路線のもとで苦しむ労働者・国民の反撃であり大企業の横暴に対するたたかいが時代を動かし始めたことを示しています。
 政府も大企業の内部留保取崩を促し、マスコミの論調も大企業の身勝手さを批判し始めています。内需拡大こそ日本経済にとって必要不可欠なのです。
 通信労組は、2月末までに一律3万5000円の賃金引上げ、非正規雇用労働者の時給250円引き上げ、地域子会社賃金水準および諸手当額のNTT準拠、60歳超え契約社員の時給1500円に引き上げを始め「50歳退職・賃下げ再雇用」制度の廃止等、141項目に渡る「09国民春闘要求書」を各NTTグループ各社に提出しました。
 NTTグループの内部留保は8兆8352億円と膨大。わずか1.3%を取り崩すだけで実現可能です。グループ各社は、「個社のものではない」「将来の経営のために崩せない」と言いますが、02年の11万人リストラ強行前後2年間で、海外投資失敗による特別損失2兆円とともに退職給付引当金の減で内部留保をグループ全体で1兆5000億円取り崩しました。「百年に一度の危機」ならば、今がその時。国民生活が豊かになってこそ企業も繁栄します。要求実現へ確信を持って09春闘をたたかい抜きましょう。