提  言(機関紙『通信労組』第330号)
中労委命令を確信にして労働者との対話・交流を
2008年11月5日
 
 10月31日、中労委はNTT11万人リストラに関する提案説明、その後の団体交渉での通信労組への多数派労組との差別的取り扱い並びに不誠実交渉、労働者の選択を迫る計画の一方的実施、組合員の配転に関わる団体交渉拒否を認め、不当労働行為であるとして、NTT西日本に対し、通信労組に謝罪文を手交せよと命じました。
 老親介護や子供の教育費等、人生で一番その家族的責任と経済的負担の多い51歳で、3割もの賃下げによる「退職・再雇用」を、労働者がすんなり応じる訳にはいきません。なぜ、97%の労働者が「退職・再雇用」を選択したのか、異職種・遠隔地配転という脅しは、長年培ってきた仕事への専門性と誇り、そして責任、はぐんできた地域とのつながり、家庭生活の当然の愛着と慈しみに対する「仕事と家庭生活」両立への極めて乱暴な破壊攻撃であり、いかに多数派労組が承諾しても、この選択に納得しかねる労働者が多数いたことは確実です。だからこそ会社計画に反対する労組への不当労働行為なくして実行できなかったのです。
 50歳選択で「残る選択」をした新入組合員は「みんな決まったこととあきらめている、拒否はできないと思っている」と言います。
 今年8回目の50歳選択を迫られるこの時期、違法・脱法のNTTリストラの不当性と、憲法、労基法、労組法で確立された労働者・労働組合の権利を理解してもらう大量宣伝と職場労働者との対話が何よりも必要です。
 大阪支部の「アンダー50の会」に予想もしない8人の他労組組合員が参加しました。「一筋の光が見えてきた」「辞めようかと思っていたが考え直したい」「子供たちのことを考えると雇用継続しかない」「本体に残りたい」等の感想が語られました。「春闘暮らしのアンケート」と、50歳問題懇談会での対話・交流こそ職場労働者に待たれています。大いに奮闘しましょう。