最高裁もNTT西日本の不当労働行為を認定
通信労組の主張を全面的に認めた
中労委命令が最高裁で確定!
5月23日
<共同声明>
 
 NTT11万人リストラに反対する通信労組との団体交渉に、NTT西日本会社が誠実に応じなかったのは不当労働行為だと認定した東京高裁判決を不服としてNTT西日本が上告していた裁判で、5月23日、最高裁が上告不受理の決定を行い、東京高裁判決が確定しました。
 昨年の東京高裁判決では、NTT西日本が通信労組とNTT労組の間で組合差別を行っていることについて、「同一企業内に複数の労働組合がある場合には、使用者には各労働組合との対応において平等取扱い、中立義務が課されている」と指摘していました。
 「50歳退職・再雇用賃下げ」のリストラを拒否した労働者を遠隔地に配転する前に申し込まれた団体交渉を拒否したことについて、「労働者の労働条件や生活環境に多大な影響を与えるものであるから、配転の基準や手続きなどの実施方針は、労働条件に関する事項であり、義務的団体交渉事項になる」として、誠実交渉義務に違反するとしていました。
 
東京高裁で不当労働行為認定の勝利判決を喜ぶ
通信労組の組合員と弁護士ら(2010年9月28日)

<共同声明>
 
1.  最高裁判所第1小法廷(横田尤孝裁判長)は、5月23日、通信労組に対する不当労働行為を認めた中労委命令の取り消しを求めるNTT西日本の上告受理申立の不受理を決定しました。
2.  本決定により確定された中労委命令は、@11万人リストラの手法である「50歳退職・賃下げ再雇用」制度導入に際し、通信労組への当初提案資料においてNTT労組との経営協議会の場合と比べて内容面で大きな差異を設け、A本件「退職・再雇用」制度の説明時に、通信労組に対して、NTT西日本の財務状況、新設子会社の設立スケジュール、業務概要、経営方針などの資料を提出しなかったこと、B労働条件面の要求や質問に対し、NTT西日本が具体的な説明を行わなかったこと、C通信労組から、頻繁に、かつ、機敏に団体交渉を設定するよう再三にわたる要求を受けても団体交渉期日設定の対応を改善しなかったこと、D雇用形態選択の「意向確認」の実施について、NTT労組との合意後に通信労組に提案し、交渉を十分に行わないまま実施したこと等が誠実交渉義務違反であると認め、そして、異職種・遠隔地配転で単身赴任や長時間通勤が想定される配転に対する団体交渉の申入れに応じなかった対応は、労働組合法第7条第2号の団体交渉拒否に当たると認定しています。さらに命令は、企業内に労働組合が併存するとき、使用者は中立の立場で平等に取り扱い、いずれに対しても誠実な団体交渉を行うべき義務を正面から肯定し、多数派労働組合との経営協議会における提示資料・説明内容と同様の扱いを行う必要まで認めており、こうした命令を最高裁が確定したことは極めて重要です。
3.  NTT西日本は、中労委命令とそれを認めた最高裁決定を真摯に受け止め、通信労組に対して速やかに誓約文書を手交するとともに、今日まで続けている通信労組に対する不誠実な対応を厳に改め、今後このような行為を繰り返さないことを明言すべきです。その上で、こうした不法な対応によって導入された「50歳退職・賃下げ再雇用」制度を速やかに廃止するとともに、業務上必要のない遠隔地配転者を直ちに地元に戻し、現在も争われているNTTリストラ裁判を直ちに解決すべきです。
4.  画期的な中労委命令と最高裁判所による命令確定を勝ち取ったのは、全労連、中央単産、県労連やNTTリストラ反対のたたかいにご支援いただいたサポーターをはじめ皆さまの大きな力によるものであり、心よりお礼申し上げます。
 私たちは、引き続き、違法・脱法のNTTリストラとたたかうとともに、全てのNTTグループ労働者の権利と生活を守り向上させるために、全力を挙げて奮闘する決意です。
 
以 上
 
2011年5月25日
   NTTリストラ大阪訴訟弁護団
全労連NTTリストラ闘争本部
通信産業労働組合