提  言(機関紙『通信労組』第314号)
労働者を人として扱え 後藤さんを即刻大分へ
2007年7月5日
 
 大阪地裁は、白血病ウイルスを保持する後藤原告について「規則正しい食生活とストレス緩和の環境が求められ」「時宜にかなった、適切な配慮」を求める判断を下しました。
 6月22日、NTT西日本は「業務の必要性が福岡にあり、判決に基づくよりましな人事」として、後藤さんに福岡配転を内示しました。しかし福岡では退職を9ヵ月後に控えての単身赴任のたらいまわしです。
 この配転辞令に後藤さんは、大阪配転時の環境変化から「シック症候群」になり、その再発への強い不安から、不眠・食欲不振状態が続き「抑うつ症」を患ってしまいました。
 同じ白血病ウイルスを保持する後藤さんの実兄は2000年9月に発症し、翌年2月に亡くなっています。
 ストレスや肉体的・精神的疲労こそ発症の引き金ともなり、憂慮すべき事態です。
 通信労組は、後藤さんを大分の家族のもとへ即刻・戻すことを求め、人道上からもNTTの責任を果たさせるために奮闘します。
 また先日、NTTコムウエアから「雇い止め」を宣告された派遣労働者は、テルウエル西日本をまたがる2重派遣でした。過去4年間の深夜勤務での未払い賃金もあり、地域ユニオンと連携した団体交渉での追及で解決することになりました。
 NTT東西の偽装請負の発覚とともに、従来から頻繁な業務や職場名の変更等、NTTによる派遣労働における直用申込義務を避けるための脱法行為は厳然と存在しました。
 この4月以降、地域子会社直接の有期(短期)契約社員に切り替えています。労働者には新たな雇用不安が広がり低賃金の固定化と、派遣会社のピンハネ分はそっくり儲けです。
 「労働者の使い捨てを許さず、人として扱え、働くものの尊厳を取り戻す」ために、労働法制の改悪をもたらす労働3法案の成立を狙う政府・財界に参院選での明確な審判を。