提  言(機関紙『通信労組』第336号)
憲法違反の共済つぶしを許さず
働くものの助け合いの輪を大きく
2009年5月5日
 
 06年4月に施行された「改正」保険業法は、それまで規制対象でなかった共済事業を保険業と同列とみなし厳しい規制をかけました。具体的には、共済事業を行う組織・団体は、会社として登録し保険業と同様の積立金の義務付け、税金の支払いなどを義務化したのです。労働組合の共済事業は、当面、「改正」保険業法の適用除外とされていますが、2011年の見直しの対象となっており、業法適用の危険は色濃く残されています。労働組合の共済は、憲法28条で保障されている団結権に基づき運営されており、労働組合法にも「経済的地位の向上」を目的としたものと位置づけられています。「改正」保険業法の労働組合への適用は憲法違反であり認めることはできません。
 「改正」保険業法はオレンジ共済など「共済」を騙った詐欺行為から消費者を守るという口実ですが、背景には、共済をつぶし市場拡大を狙うアメリカ保険会社の強い要求があります。
 労働組合の源流はイギリスのパブ(居酒屋)を舞台にした労働者の相互扶助活動といわれます。産業革命の時代、過酷な労働による病気やケガに対して、パブに集まった労働者がお金をだしあって助け合いをはじめ、団結を固めて、やがて労働条件の改善を要求する労働組合に発展してきたのです。この「助け合い」を制度化したのが共済ですから、共済活動は労働組合の原点です。
労働組合の共済は、加入者が多くなればなるほど、安心・安全な「助け合い」に発展します。支部・分会で共済未加入の組合員に積極的に勧めましょう。
 非正規雇用労働者が1000万人を大きく超え、その多くは年収200万円以下の低所得者層です。これらの仲間にも「助け合いの共済」の魅力を知らせ労働組合への結集を呼びかけましょう。共済加入者を飛躍的に増やし、憲法違反の共済規制を団結の力ではね返しましょう。