JMITU通信産業本部委員長あいさつ(要旨)
3・16持株会社前ストライキ集会
 
 
 NTT持株前3.16ストライキ集会で決意を述べる宇佐美俊一JMITU通信産業本部委員長
 
 NTT持株会社前、ストライキ突入集会に、早朝からのご参加ありがとうございます。

 JMITU通信産業本部は、秋闘から継続して交渉を行なっている要求を含め、NTTグループに働く労働者から集めた、「切実な要求や多くの声」をもとに作成した、17春闘要求書を2月22日に、主要グループ6社とグループ子会社15社に提出し、3月6日から14日を集中交渉期間と位置付け、生活改善にむけた賃金要求として、25000円以上のベースアップと、60歳超え労働者や非正規雇用労働者への、格差賃金の拡大ではない、実質賃金引き上げと均等待遇を求めて、交渉を行なってきました。

 ところが、NTTグループ各社は、「経営状況は依然として厳しい」、「財務や事業見通しを、総合的に勘案して検討している」との「ゼロ回答」に終始し、有額回答を示そうとはしませんでしたが、15日の大手企業の集中回答日に、NTTグループ各社も一斉に、回答を行なってきました。

 その内容は、グループ8社で「昨年より200円低い、一人平均1400円の引き上げ回答」です。昨年と同様に、「ベースアップ分として、資格賃金に700円上積んだものの、残りの700円分は、成果を一方的な評価で支払う、基準外の手当に上積む」という回答です。

 更に回答は、「社員からの置き換えにより、事業の中心を担う、非正規雇用労働者への賃金改善や、均等待遇要求には一切応じない」という不当な回答です。地域会社ではこの額より、それぞれ210円低くなっています。
また60歳超え労働者には、「月給制にだけ、特別手当への評価部分に上積む」という、労働者の切実な要求には、まともに応えず、新たな差別を持ち込む低額差別回答です。
 
 NTTの2016年3月期の連結決算は、営業収益が11兆5410億円にも達し、6期連続の増収まで記録し、純利益は過去最高益となり、内部留保も昨年分に6363億円も上積み、9兆7766億円にも達しています。

 しかも、株主には、毎年増額による還元を行ないながら、自己株取得として、政府株を中心に2015年と2016年で、4317億円もの取得がおこなえる経営状況です。

 この経営実態の、何処が「経営状況が依然として厳しい」のか、「財務に不安が何処にあるのか」と、声を大にして問いかけたいと思います。
 株主への配当と役員への報酬だけは、大幅に増額させながら、NTTグループに働く労働者の、生活改善には背を向ける、横暴な経営姿勢は、断じて許すことはできません。

 非正規雇用で働く労働者に、社員と同様の結果と働きを求めながら、賃金改善も労働条件改善にも背を向けているのが、グローバル企業として、世界のトップを目指しているNTTという、世界に恥ずべき企業です。
 改正高年齢雇用安定法の解釈を捻じ曲げて、60歳超え継続雇用に選別を持ち込み、非正規雇用労働者の5年での無期雇用転換も、選別と雇用止めで、法律を無視した対応まで、行なっているのがNTTグループ企業です。

 NTT持株会社をはじめとする、NTTグループ各社は、このように労働者の雇用と生活に、正面から向き合わず、責任を持とうとしない、ブラック体質の経営姿勢を直ちに改め、企業の社会的責任を果たすべきです。

 NTTグループは、差別低額賃上げを続けるのではなく、満額のベースアップ回答をもって、労働者に応えることを強く要求し、低額と差別で格差拡大の回答打開を求めて、本日は全国29ヵ所のNTTビル門前で、全国の仲間の支援を受けて、ストライキ突入集会を実施している全国の仲間とともに、要求実現にむけて、たたかい抜くことを申し上げ、通信産業本部を代表しての、あいさつとさせていただきます。ともに頑張りましょう。
  
 
 
 
17春闘 3.16ストライキ宣言 
 
  2017年国民春闘は、国民的な共同で安倍政権を退陣に追い込み、戦争法廃止・労働法制改悪阻止、くらしをまもり地域を基礎に共同を大きくひろげ、すべての働く人々の賃上げ・底上げを実現するなどの課題を掲げてたたかわれている。

 NTTは、労働者犠牲、利用者サービス切り捨てによる株主最優先経営を進め、2016年3月期連結決算は、営業収益が11兆5410億円と6期連続の増収で、純利益は過去最高益を確保し、内部留保は9兆7766億円にも達している。

しかし、NTTグループ労働者の4割近い非正規雇用労働者は、事業の中心を担いながらも、雇用不安を抱え低賃金にもかかわらず、社員と同様の成果を求められている。
その上、労働契約法改正による5年目以降の無期雇用化を回避するため、3年や5年目での選別・雇い止めを導入し、違法なルールで無期化への規制を行おうとしており、非正規雇用労働者の置かれている状況は深刻である。

更にNTT東日本では、長時間労働規制に対しても36協定の時間外労働の延長を可能とする特例事項で今年、月150時間から100時間に見直したが、労働大臣告示の月45時間どころか、月80時間の過労死ラインを超える協定となっている。

 JMITU通信産業本部へ寄せられた「働くみんなの要求アンケート」では、「生活がくるしい」とした正社員が61%、非正規雇用労働者では86%、60歳超え契約社員は82%の状況にある。
 通信産業本部は要求アンケート結果をふまえ、NTTグループ労働者の切実な要求として月額賃金25000円以上、非正規雇用労働者の時間賃金250円以上、60歳超え契約社員の時間賃金1500円への引き上げを要求し団体交渉で追及を行ってきた。

同時に、地域子会社賃金のNTT準拠、60歳超え契約社員の賃金・処遇改善と希望者全員の継続雇用、非正規雇用労働者の正社員化と均等待遇、「成果・業績主義」賃金制度の廃止と生計費原則にもとづく賃金制度の確立、コスト削減リストラ反対、既選択者への不利益是正と遠隔地配転者を地元に戻すことなど、法律を守り人権を尊重する企業運営で、国民のための情報通信サービスの確立と莫大に溜め込んだ内部留保の活用で社会的責任を果たすことを求めている。

 NTTグループ各社は3月15日に有額回答を提示したが、その内容は昨年より低額回答である。JMITU通信産業本部は、全社員の生活改善要求に応えず、格差拡大の姿勢を示すNTTグループ各社に対し、怒りを込めて17国民春闘共闘に結集する仲間と固く団結し、全国22都道府県、22支部・分会、65事業所で96人の組合員が、本日、始業時から10時までのストライキに突入することをここに宣言する。
 2017年3月16日
JMITU通信産業本部 ストライキ突入決起集会
 
ストライキ宣言PDF