NTT西日本の不当労働行為を三度断罪
 中労委の少数労組への差別禁じる画期的命令を追認
中労委命令取り消し行政訴訟 東京地裁判決 2月25日
 
 2月25日、東京地裁第19民事部において、NTT西日本が中央労働委員会命令(2008年10月31日)を不服として訴えた裁判の判決が出され、原告(NTT側)の請求を棄却する判決が出されました。

 中央労働委員会の命令は、通信労組の「不当労働行為の救済審査」に対し、「退職・再雇用」制度の導入に関する不誠実団交と配転団交拒否は、不当労働行為(労働組合法第7条第2号違反)であると認定し、NTT西日本に「今後このような行為を繰り返さないようにいたします」との誓約文の手交を命じていました。

 NTTリストラ大阪訴訟弁護団、全労連NTTリストラ闘争本部、NTTリストラ事件大阪支援共闘会議、通信産業労働組合は東京地裁の判決を受けて、次の共同声明を発表しました。

<共同声明>
東京地裁もNTT西日本の不当労働行為を認定
 
1. 東京地裁第19民事部は、2月25日、NTT西日本の通信労組に対する不当労働行為を認定した中労委命令の取り消しを求めたNTT西日本の訴えを棄却しました。
 
2. 東京地裁判決は、中労委命令が認めた@11万人リストラの手法である「50歳退職・賃下げ再雇用」制度導入に際し通信労組への当初提案資料において、NTT労組との経営協議会の場合と比べて、内容面で大きな差異があると認定、A本件「退職・再雇用」制度の説明時に、NTT西日本の財務状況、新設子会社の設立スケジュール・業務概要・経営方針などの資料提出をしなかったことは誠実交渉義務違反、B労働条件面の要求や質問に対し、NTT西日本が具体的な説明を行わなかったことについても、NTT労組と比べ大きな差異があり誠実交渉義務違反、C通信労組から、頻繁に、かつ、機敏に団体交渉を設定するよう再三にわたる要求を受けても、団体交渉期日設定の対応を改善しなかったことに対しても誠実交渉義務違反、D雇用形態選択の「意向確認」の実施について、NTT労組との合意後に通信労組に提案し、交渉を十分に行わないまま実施した対応も誠実交渉義務違反である、と認定しました。
そして、異職種・遠隔地配転で単身赴任や長時間通勤が想定される配転に対する団交の申入れに応じなかった対応は、労働組合法第7条第2号の団体交渉拒否に当たると断定しました。
  さらに、企業内に労働組合が併存するとき、会社は中立の立場で平等に取り扱い、いずれに対しても誠実な団体交渉をするべき義務を正面から肯定し、会社の対応を厳しく批判しています。
 
3. NTT西日本は、中労委命令及び東京地裁判決に従い、通信労組に対して速やかに誓約文書を手交し、今日まで続けている通信労組に対する不誠実な対応を厳に改め、今後このような行為を繰り返さないことを明言すべきです。その上で、こうした不法な対応によって導入された「50歳退職・賃下げ再雇用」制度を速やかに廃止するとともに、業務上必要のない遠隔地配転者を直ちに地元に戻し、現在も争われているNTTリストラ裁判を直ちに全面解決すべきです。
 
4. 画期的な中労委命令に続く東京地裁判決を勝ち取ったのは、全労連、中央単産、県労連やNTTリストラ反対のたたかいにご支援いただいたサポーターをはじめ皆さまの大きな力によるものであり、心よりお礼申し上げます。
私たちは、引き続き、違法・脱法のNTTリストラとたたかうとともに、全てのNTTグループ労働者の権利と生活を守り向上させるために、全力を挙げて奮闘する決意です。
 
以 上
 
2010年2月25日
NTTリストラ大阪訴訟弁護団
全労連NTTリストラ闘争本部
NTTリストラ事件大阪支援共闘会議
通信産業労働組合