NTTグループの2008年度連結決算は、世界的な経済危機が進行するもとでも景気に左右されず、減収・減益ながら1兆1098億円の営業利益を上げ、6年ぶりに「日本一の利益」を確保、ドコモが2位につけました。
2010年度の「光2000万目標」に対して、09年3月期到達は1113万加入、10年度目標は250万で、達成したとしても1360万加入にとどまり、NTT持株・三浦社長は「10年以降、早期に達成したい」と言わざるを得ませんでした。09年度通期では厳しい経済状況が続き、1000億円規模の減収予想をしながらも、営業利益1兆1000億円を堅持し、11年度の「光収支の単年度黒字」と営業利益で12年度の1兆3000億円の達成はしたいと述べ、株主配当も120円(100分割前で1万2000円)にするとしました。
KDDIは都市部の儲かる地域のみの参入で黒字化を図り、ソフトバンクは光から撤退するという状況のもとで、某NTT西日本の幹部は光販売が目標にほど遠い状況について「一人勝ちになると、かえって規制が厳しくなる」と、むしろ楽観的でさえあります。
固定電話の連続的減収、光の販売不振にもかかわらず、なぜNTTは強気なのか。物件費節約(人件費を含む営業費用の削減)、設備投資の減、代理店や家電量販店を潤してきた販売促進費の減等をあげていますが、何よりも固定電話が光に置き換わらず安定収入が保障されるからです。
従来型交換機の新ノード(光対応)への巻き取りは15年度終了予定で、メタルからIPへの巻き取りはさらに先延ばしになることは必至であり、4000万加入を繋ぐ固定電話網の安定的維持・運営へ、スキル継承、ユニバーサル・サービスの確保こそ、今、NTTの抱える最大の使命です。
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