提  言(機関紙『通信労組』第312号)
新しい気運をとらえ組織の拡大強化を
2007年5月5日
 
 2010年問題を前に、NTT東・西の「雇用と労働条件の三層化」への具体化が始まっています。
 現在の非正規労働者のうち、キャリアパスといわれる有スキル者を正社員化し、技術とスキルの継承を図ろうとするものですが、正社員化への道は決して平坦ではなく、しかもその処遇体系は、年齢に関係なくNTT水準の7割〜8・5割をさらに引き下げ、6・5割水準のエリアまで設定されており、NTT労働者の低賃金の固定化と、企業への忠誠度をものさしにした非正規労働者への差別と選別を定式化するものです。
 今、全国各地で非正規労働者からの労働相談が寄せられ、通信労組に入ってたたかいたいと願う労働者が急増し、「働き場所を選ぶ」ことから、「NTTのなかで労働者として人間として扱え」という切実な要求に発展しているのです。
 50歳選択時点で通信労組に加入した組合員の要求は「もっと組合員を増やして欲しい」と切実で、50歳以下のNTT労働者も「どんなことがあってもNTTにしがみつく」と漏らしています。
 職場労働者としっかりと交流・討論を重ね、要求実現の共同行動のキッカケを作り出すことが今ほど求められている時はありません。
 新自由主義は、まともな働き方を突き崩し「生産性のない労働者の生きる価値」さえ否定しています。
 憲法25条は「全ての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と宣言し、労働基準法の第1条では、「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営む必用を充たすべきものでなければならない」として、その生存権ならびに労働条件の最低基準を指し示しています。
 非正規労働者も含めた切実な要求の広がりと、新しい気運をしっかりとらえ、通信労組組織の拡大強化をNTT労働者とともに全組合員共通の課題に位置付けましょう。