通信労組機関紙

機関紙「通信労組」

「通信労組」第517号(2024年6月10日)

今こそ事業支える労働者の処遇改善を
営業収益・営業利益・当期利益、過去最高を更新
当期利益の半分は株主優遇施策に
ＮＴＴグループ２０２３年度決算より

「提言」
世界中の人々の願いは
紛争の無い平和な世界

「鳴動」

「2面」

団体交渉報告

全労連共済２０２４年春の拡大月間（４～６月）

２０２４年原水爆禁止国民平和大行進

フクちゃん　コウちゃん

お楽しみ　クロスワードパズル

読者からのお便り

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過去10年間の当期利益の推移（億円）

自己株取得の推移

株主配当の推移

　ＮＴＴ持株会社は５月10日、２０２３年度の連結決算と24年度の業績予想を発表しました。

　23年度連結決算は対前年度比で営業収益、営業利益、当期利益が増収・増益となり、４期連続で過去最高益を更新。

当期利益は昨年度に続いて１兆円を超えました。

　連結決算の状況は、営業収益が前年比２３８４億円増の13兆３７４６億円、営業利益は前年比９３９億円増の１兆９２２９億円、当期利益は前年比６６４億円増の１兆２７９５億円でした。

　営業利益・当期利益は２０２２年度での増加額をさらに３００億円以上も伸ばしています。

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■異常な株主優遇でも
賃上げにはふれず

　ＮＴＴの自己株取得と株主配当はその内容と規模が尋常ではありません。

　ＮＴＴが23年度に自己株取得に投じた費用は２０００億円で、１９９９年から始められた自己株取得の総額は５兆４５５１億円にも達します。

　株主配当は２００３年の０・５円から10倍以上になっています。

　23年度は当初予想に０・１円上積みし一株当たり年間５・１円（対前年度０・３円増、総額４３００億円）、24年度も対前年比０・１円増、年間配当５・２円を予想し、２０１１年から14期連続増となります。

　23年度の株主還元費用の規模は合計６３００億円で連結当期利益１兆２７９５億円の２分の１にもなります。

　島田社長は「賃上げと価格転嫁」についての記者質問に答え、「本来なら価格転嫁と賃上げの好循環が望ましい」としながらも、為替やＮＴＴ東・西の固定電話の減少等を持ち出し賃上げには触れませんでした。

■低額回答隠す
「ウソ」報道を放置

　24春闘では成果手当に昨年比６７００円を上積みしたものの、安定した生活のベースとなる基本賃金には７００円（０・３％）程度の賃上げのみで、これが10年以上も続いています。

　マスコミ各社に「正社員の賃金７・３％引き上げ、月額３万９３００円の賃上げ」報道を誘導し、労働者・国民を欺く「ウソ」を放置することは、社会的影響力のある企業としては許されません。

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労働者を大切にしない
ＮＴＴ経営を改めよ

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　ＮＴＴ２０２３年度末決算が増収増益で発表され、営業収益、営業利益、当期利益すべてが過去最高益の更新です。

　２０２０年度決算で営業収益と当期利益が過去最高となって以降、２０２１年度、２０２２年度、２０２３年度と営業収益、営業利益、当期利益は毎年過去最高益を更新し続けているのがＮＴＴです。

　24春闘賃金交渉でＮＴＴグループ各社はこぞって「経営状況は昨年以上に厳しい」と毎年同じ言葉を繰り返していますが、年度末決算はすべて過去最高益の更新です。

　その成果は株主配当の14期連続の増配と内部留保の積み上げで、その大部分を占める連結利益剰余金を前年度より９２７９億６７００万円も増やし、９兆７８０億８４００万円としています。

　その一方で24春闘の賃金回答は、２千円や３千円という最低回答から上回ったものの、大手回答水準よりはるかに低い１万円回答で、基本賃金は今年も平均７００円だけの改定です。

　そして事もあろうに会社は、24春闘賃金回答を３万９３００円、７・３％とマスコミへ虚偽発表。

　団体交渉でグループ会社を追及するも、「報道発表は持株会社でと考える。

　春闘回答とそれ以外も含めているようだが、当社が発表していないので不明だ」と回答。

　持株会社は「検討したが説明は出来ない」と自らの発表に責任を持たないお粗末さを露呈した。

　本気で全ての労働者がストライキを打ってたたかうならば虚偽回答ではなく現実の回答となることを訴えたい。

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鳴動

「2面」

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団体交渉報告

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　　■ビジネスソリューションズ

　５月22日、大阪市内でビジネスソリューションズと団体交渉が行われました。

交渉では、当該組合員がオフサポ受付業務（新神戸ビル）で、Ａサポートリーダー（SL）の指導発言に精神的・肉体的に苦痛を受けたパワハラ発言中止要求に対し

【会】「調査した結果、ハラスメントの事実は確認できない」と回答

【組】これまでもハラスメント調査要求の回答が毎回同じ「事実が確認できない」と不誠実な回答になっている。調査はしたのか

【会】職場上長に聞き取り調査し、厚労省や社内ハラスメント規定に照らした結果、事実は確認できないと回答している

【組】パワハラ内容について職場上長と相談し「当該SLからの直接支援を改善する」と答えている。回答には齟齬がある

【会】当該SLに指導対応はしている

【組】組合として①当該SLが適任か検討し配慮する②全SLに対しハラスメントの再教育を実施③当該SLと当該組合員と直接対応はさせない事と３点の要望を申し入れた。

ビジネスソリューションズと団交

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全労連共済２０２４年春の拡大月間（４～６月）

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■組合員のみなさん
「もしも」の備えは
できていますか？

　能登半島地震では多くの方々が自然災害に対する日頃の備えの大切さを感じました。

　この災害でも全労連共済の「地震等共済金」をお渡しし、「労働組合の助け合いの力」を大きく発揮しました。

「保険や共済はいらない」
と考えている方へ

　「まだ若いから」「独身だから」「貯金をしていれば備えになるから保険や共済は不要」と思っていても、病気やケガ、大災害にあったら・・と考えてみた時、漠然とした不安を感じませんか？

知って納得、入って節約

　全労連共済は、25年４月から「火災共済の特約制度開始による自然災害保障の拡充」「医療共済の安静休業期間の短縮」「組織・慶弔②型共済の入学祝い金の拡大」などの制度改定を実施します。

　物価高騰に賃上げは届かず、依然として私たちの生活は厳しい状況です。

　通信労組共済への加入は、支出を減らし、自由に使えるお金を増やす、第２の賃上げとなります。

■火災共済が変わります
25年４月からスタート

　火災共済に上乗せして、自然災害（台風・地震など）の保障を厚くできる特約（オプション）ができます。

　①火災共済に加入する際や、継続の時、自然災害特約をつけるか本人が選択します。
　②掛金は、通常の火災共済の２倍ですが、風水害の保障は３倍、地震等の保障は２倍となります。

　加入予約受付はすでに始まっています。

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２０２４年原水爆禁止国民平和大行進

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■神奈川から静岡へ

　通し行進者の大村美恵さんは５月15日、大船観音で開かれた「被爆者と市民のつどい」で、シャンソンの「ヒロシマ」と「祈り」を歌い、大きな拍手が送られました。

平和のために何かしたいという思いを表す「歩く」平和行進が多くの地域で復活。

中学生も飛び入り参加しました。

神奈川県支部３人、神奈川地本２人、静岡支部２人の組合員ＯＢが参加しました。（土方春樹）

５月19日の引き継ぎ式には、神奈川から静岡へ引き継ぎ式に参加した組合員OBのみなさん＝５月19日

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■静岡（沼津）

　５月21日、沼津市役所ロビーで出発集会を行い、沼津市内の米軍今沢基地まで途中電車も使い行進しました。

　今沢の閉会集会では、今沢基地の危険な役割やベトナム戦争当時、この基地からベトナムへの兵器輸送に反対し若者がピケした話などが紹介されました。

　山崎実行委員長は「日本が核兵器禁止条約を批准し、核保有国に対し核廃絶を訴える事が必要だ」と挨拶しました。（榊原雅樹）

沼津市役所での出発集会の模様＝５月21日、静岡県沼津市内

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■静岡から愛知へ

　国民平和行進の静岡から愛知への引き継ぎ集会が５月31日に湖西市西部公民館前広場で開催されました。

　６００人もの参加者で広場は色とりどりの旗や横断幕で埋め尽くされ感動的な集会となりました。

　ＪＭＩＴＵのリレー旗も静岡から愛知に引き継がれました。

　愛知では、原爆の火が５年ぶりに復活し、また県内通し行進者も16人と昨年を上回り、元気に出発しました。（大村美恵）