機関紙「通信労組」
「通信労組」第502号(2023年3月10日)

生活危機をはね返す大幅賃上げを
各地のストライキ
 
  団体交渉報告
 
ジョブ型人事制度とリモートスタンダートの問題点A
 
「提言」
一時金でごまかさず実質賃金の大幅賃上げを
 
  3・11東日本大震災から12年
 
   
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読者からのお便り

 
   
生活危機をはね返す大幅賃上げを 各地のストライキ

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   全労連・国民春闘共闘会議統一行動日の3月9日、JMITU通信産業本部は大幅賃上げと「ジョブ型」人事制度の撤回などを求め、全国9都道府県、9支部分会、12事業所においてストライキに突入し、全国各地のNTTビル門前で仲間の支援を受け、スト突入集会などを取り組みました。  
 
■大阪支部 
   大阪支部は朝7時30分からNTT西日本本社(京橋ビル)前で、宣伝とストライキ突入支援集会をOB、支援者ら25人が参加し実施しました。

 集会では大阪労連鴻村博事務局次長、JMITU大阪地本久松委員長から連帯のあいさつ。
本部岡本書記長から各社の交渉経過が報告され、最後に大阪支部中村委員長が「非正規社員は最低賃金並みの賃金で、物価高のもと生活はいっそう苦しくなっている。
何としても大幅賃上げを勝ち取ろう」と訴え、スト集会決議を全員で確認。
本社ビルに向け怒りのシュプレヒコールを行いました。

  
   
 
 西日本本社ビル前にて=大阪支部
 
■兵庫支部 
 
   7時40分から新神戸ビル前にてスト集会の準備を開始。
8時から神戸中央ビル前で3人がビラ(支部ニュース、本部ビラ)を配布。
 新神戸ビル前では、ビラ(支部ニュース、本部ビラ)を250枚配布しマイク宣伝、兵庫支部増田委員長、兵庫労連成山議長、JMITU兵庫地本岩佐副委員長のほか、郵政ユニオン、全受労、県国公などが参加、連帯の挨拶をしました。
 9時から新神戸ビル前に参加組合員が集合し、ストライキ突入集会を開催。
 全員でスト集会決議を採択し、シュプレヒコールしました。
 
   
 
 新神戸ビル前にて=兵庫支部
 
■愛知分会 
 
   天候に恵まれたなか、愛知分会はストライキ集会をNTT三の丸ビル前で開催しました。
 集会には組合員、OBのほか、JMITU愛知地本、愛知労連、自治労連などからの支援者を含め13人が参加しました。
要求アンケートに寄せられた意見なども紹介しながら「本当に生活が苦しくなっている。
今こそ大幅賃上げを」と訴えました。

 卵の値段が2倍になっているなど、物価高が天井知らずの実態にあるなか、すべての労働者に物価高騰にたいする生活支援の特別一時金12万円支給は、まさに切実な要求となっています。
  
   
 
 三の丸ビル前にて=愛知分会
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団体交渉報告

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■NTT西日本 
 
   3月1日、NTT西日本との春闘交渉を大阪市内で行いました。
組合は「NTTグループは毎年過去最高益を更新し、内部留保については、昨年より769億円増加させ、9兆444億円にまで増やしている。基本賃金3万5千円以上の引き上げと、非正規雇用労働者には、時間賃金一律280円以上の引き上げ及び昨年末から求めている、異常な物価高騰分に対する12万円の一時金支給で社員に報いるよう応えて欲しい」と要求。

 会社は「物価高騰などが、社会生活に影響を与えているとの認識は一致するが、今後も安定的な、事業運営をしていくためには、慎重に検討せざるを得ないため別途回答する」としました。

  
   
 
西日本交渉のみなさん 
 
■アクトProCX 
 
   3月3日、大阪市内でアクトProCX社発足後の初の春闘交渉を行いました。

 賃上げ要求をはじめとした23春闘要求に対し会社は「昨今の物価高で社員の生活は厳しい状況」と認識しつつ、組合の時間給280円の「基本賃金引き上げ」要求に対し「基本賃金は最低賃金額であり春闘で引き上げる制度設計ではない」と説明。
「社員のモチベーション向上に資する給与設計については必要性を感じている。
賃上げは慎重に検討し別途回答」するとしました。

 組合は「22年度の目標額を大幅にクリアし、超過達成して増収している」にも関わらず、賃上げしなければ社員のモチベーションは上がらない、労働者に還元することを求めました。

  
   
 
 アクトProCX交渉員のみなさん 
   
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ジョブ型人事制度とリモートスタンダートの問題点A

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 ■グレード賃金移行で基準内賃金低下
   ジョブ型人事制度の導入で、基本賃金(基準内賃金)の仕組が改変され、現行の資格賃金と加給がグレード賃金に一本化されます。

 移行後のグレード賃金は、移行前の資格賃金、加給、成果手当(平均額)、職責手当、事業特性に応じた手当、サポート手当等の合計額からグレード別の「切替成果手当」を減じた額となります。しかし、グレード賃金には上限額が設けられており、グレード賃金と「切替成果手当」との合計額が移行時基礎額に満たないケースが生じ、その差額を補填する「移行時調整賃金」が設定されます。

 制度に「移行時調整賃金」を設けなければならないのは、グレード賃金の水準(上限額)が低いからです。
 一般社員の過半が位置するエキスパート資格3級、一般資格1、2級者が移行する社員グレード3〜6ではグレード賃金の上限額が現行より低下する設定となっています(下表参照)。
 会社は、廃止される職責手当やサポート手当をグレード賃金に再構築すると説明していますが、どう再構築されるのか不明です。
 
 ■賃金は評価でしか上がらなくなる 
  基準内賃金上昇のためにはグレード賃金の昇給が必要です。
昇給は年1回の行動評価(4月)で決まり、毎年6月に行われます。
しかし、昇給幅は各グレードの上限額規定で決まり、昇給回数もこれで制限されます。
昇給幅は下位グレードでは薄く、昇給も限定的となります。
上限額をクリアするためには上位グレードへの昇格が必要で、そのためには業績評価、行動評価、専門性判定をクリアしなければなりません。
旧来のような一般職1級昇格への標準昇格年数の考え方もなく、評価の影響が更に増すことになります。
基準内賃金の低下は時間外手当や特別手当の支給額に直接影響し、労働者の生活に大きくのしかかることになります。
 
   
   
   
   
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鳴動

 
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提言 
 
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   一時金でごまかさず
実質賃金の大幅賃上げを
   
   3月8日のJMITU統一回答指定日には、72支部分会が組合員平均8151円(2・72%)の有額回答を引き出し、そのうち16支部分会では5桁の回答引き出しです。

 全体として物価高騰に見合わない回答だとして、翌9日の統一行動日には、全国で60支部分会がストライキに決起し、回答上積みを求めました。

 こういったなか一部経営者は、賃上げ回答を抑えるために実質賃金引き上げではなく、インフレ手当などの一時金で誤魔化そうとする動きがみられます。

 一時金はまさに一時金であり、実質賃金は何も変わらず、その後の生活も改善しません。

 その一方で、経営基盤の弱い中小企業でも、経営者が本気で努力すれば、物価高騰から労働者の暮らしを守る賃上げができることを示す回答をだしています。

 今年は異常な物価高騰で実質賃金の低下が続き、1月の実質賃金は前年比4・1%減にまで落ち込んでいます。

 この様な状況下に医療労働者や他単産でも大幅賃金引上げを求め、ストライキに立ち上がっており、厳しい生活環境改善へたたかいに立ち上がる労働組合が増えています。

 NTTグループは毎年、過去最高益を更新し莫大な利益をあげていますが、その成果は内部留保の増大や株主配当増に向けられ、労働者の賃上げ要求には毎年700円の超低額回答しか示しません。

 労働者の多大な努力に一切報いない経営姿勢を改め、実質賃金の大幅引き上げで労働者の生活を守る5桁回答に踏み出す決断を強く求めます。
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3・11東日本大震災から12年
 
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 ■技術を継承し災害に備えることこそ必要
 
   12年前のあの日、NTT仙台五橋ビルの壁面が8階の高さから歩道に落下しバス停を直撃、大小破片が歩道に散乱した。
 4〜5人がバスを待っていたがNTTビルの壁側に避難していて奇跡的に死者もけが人も出なかった。
「地震発生時刻が通勤時間帯だったら」と思うといまでも鳥肌が立つ。
 交通手段がない中、次の日から私は通信労組を代表して、五橋ビルや災害対策室のある青葉ビルに日参。
現場管理者とともに社員の安否確認、各職場の状況、被災した沿岸部の復旧作業など、情報交換を精力的におこなった。
その後、職場の仲間とともに連日残業をこなし、復旧復興の一翼を担うことができた。
 地震の10日後に発行した「通信労組みやぎ」(2011・3・22付号外)にはそのときの写真、職場の様子、労働者の声が生々しく掲載された。
 ライフラインを守り災害が起きたら復旧復興に全力を尽くすことは、NTT労働者に課された使命である。
「南海トラフ大地震」の危険性が叫ばれている。
技術をしっかり継承し災害に備えることこそが必要なのに、「集約」「経費削減」だけに目を奪われていないか。
 「ジョブ型人事制度」の導入や「成果重視」一辺倒のやり方を改め、NTT労働者が心から働き甲斐をもてるような職場にしていくことが求められている。
(東北支部・宮城分会 沼邉茂信) 
 
 
 地震の10日後に発行した「通信労組みやぎ」3月22日付号外

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  第回 byけいこ

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