推薦します
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「NTT“50歳定年”リストラ11万人」
2005年4月7日
日本国家公務員労働組合連合会
    中央執行委員長  堀口 士郎
 NTT資本とのたたかいで大変なご苦労をしている中で、このような力作をまとめ上げられた岩崎委員長に心より敬意を表します。 私はこの本を読ませていただく中で大きな感銘を受けると同時に、ともにたたかう仲間として新たな勇気がわいてきました。
 この本の特徴は、著者が冒頭で「たたかって労働組合運動の発展とロマンを」と呼びかけているように、NTTの理不尽なリストラの実態を告発すると同時に、たたかいのなかで培われた「人間愛、家族愛」をとおして、労働運動にとってもっとも大切な働く者の連帯・人と人の絆が真実のドラマとして語られていることです
 文字どおり働く者の“ロマン”を感じさせる力作だと思います。
 そして働く者にとって「生きがい・働きがい」とはどういうことなのか、それを全うするための企業の果たすべき役割と責任はどこにあるのかということを、深く考えさせるものとなっています。

 読後感を整理すると次のことが思い浮かびます。
 その1つは、“悪魔の制度”ともいうべき「50歳退職、30%賃金きり下げ・再雇用」の11万人リストラの不当性が、さまざまな事例をとおしてわかりやすく解説さていることです。(略)
  そして、「NTTのような大企業が働くルールを踏みにじるようなことを許せばこの国は闇になる。民主主義と人権を守るために一緒にたたかう」という呼びかけに身の引き締まる思いを感じます。
 労働者切り捨ての日本社会の現状を象徴するようなNTTリストラの実相をあらためて学ぶ時、これを許さないたたかいの発展が社会に警鐘を鳴らし、日本の労働者全体の利益を守ることにつながると確信しています。
 2つは、広域配転など現実に発生するリストラ強行に対する地域ぐるみ、家族ぐるみのたたかいの実例に感銘を受けたことです。(略)
 NTTリストラは労働者としての誇りを奪い、家族や幼い子供たちにまで苦しみを強いる理不尽なものであることにあらためて怒りを感じます。
 3つは、「たたかって明日を拓く」と述べられているように、さまざまなたたかいの経験をとおして読む人に勇気を与えてくれることです。
 山口の女性組合員の大阪への研修が、労働局の雇用均等室の指導で延期になった例が語られています。
 その組合員は「ああ、こういう親切な国の機関もあるんだな」と思いつつ、「一人の力では何も変わらないが、まず、自分自身が変わらなければ何も変わらないことに気づいた」と述べています。
 国公労連の仲間でもある雇用均等室職員の努力が微力ながらもお役に立ったことを嬉しく思いながら、配転・研修拒否のたたかいをとおして、労働者として成長していく姿は読む人に大きな感銘を与えてくれます。

 通信労組の仲間はNTTの中では少数にもかかわらず、創意工夫したとりくみに寸暇を惜しんで奮闘しています。 その一つの経験は労働運動の渦中にいる私たちにとって大きな教訓となるものです。
 著者は「全国の労働者の連帯に勇気をもらった」と記しています。しかし、通信労組のたたかいに勇気をもらっているのは、むしろ私たちではないでしょうか。
 読み終わった後、さわやかな気持ちと自らの視線の先に勝利の展望を感じることができるのは、けっして私一人ではないと思います。
以 上

(裏面に収めるため、書略させていただきました) NTTリストラ反対サポーターの会