「猫の手通信」第2号
NTTリストラ反対サポーターの会
『猫の手通信』(第2号)
2005年4月20日
 
あなたも裁判傍聴にきてください
 頭にきたり、笑ったり、ドラマがあります
 NTTリストラ裁判も札幌地裁の13回、東京地裁の12回と進み鋭い対決が各所で見られるまでになっています。証言のたびに頭にきたり、失笑が法廷にひろがったり、確信に満ちた原告側の証言には胸の中で拍手を送りたくなります。 
 法廷でのやり取りを聞いていると職場や地域での運動が鮮やかに反映していることを実感します。また、弁護士の主尋問、反対尋問のうらには実態に対する深い洞察や相手の捻じ曲げた理屈に対する鋭い理論闘争がされていることがわかり、手に汗を握ります。
 是非、各地の法廷に傍聴に来てください。
各地裁の法廷の開かれる日程
札幌 第14回 6月24日(金)13時30分〜
 原告側4人、被告側1人の主尋問
静岡 第14回 6月17日(金)11時〜
名古屋 6月8日(水)13時30分〜
 被告側反対尋問
大阪 第11回 6月13日(月)10時〜
 被告側主尋問と反対尋問
松山 第3回 5月30日(月)13時30分〜
被告側主尋問と反対尋問
東京 第14回 5月25日13時10分〜
 被告側主尋問

男女差別裁判・最高裁で勝利した中本ミヨさん86歳、
サポーターに
 人の役に立つことが生き甲斐です
 4月10日の日曜日、サポーターになってもらおうと中本ミヨさん宅を訪ねました。当年86歳、女性差別を許さないと裁判に立ち上がって、24年前最高裁で勝利判決を得た人です。家に引きこもりがちの生活を送っているというのですが、「サポーターになって下さい」というと、「人の役に立つことをやっていなければ人間として生きている甲斐がないので何かやりたいと思っているのです」との返事でした。
 「どんなたたかいをしたのですか」と聞くと、長いたたかいを振り返りながら、当時を思い起こしながら話してくれました。
 「勤めていたプリンスは差別のない、全金の組合の強いところでしたが、日産と合併して、多くの差別が持ち込まれ、同時に組合を抜けろと暴力を振るわれてそれとの大闘争がありました。
 そこで、日産の定年制男女差別に反対して、たたかったのです。日産並に給料を下げてくる、それはひどい差別の持込でした。私は当然裁判をやるだろうと思われていました。工場の入り口には日産の組合の入門阻止隊が立ち、国公、自治体の労働者が支援に駆けつけてくれて入門闘争です。『おばさん五十歳まで働けばいいんじゃないか』と半分冗談を言いながら支援をしてくれました。
 一審(71年)では負けました。判決には『本来女子は男子に劣り』とあり、男女差5歳の差別は社会通念上許されるとしていました。そしたら中嶋道子弁護士が支援に来てくれました。運動にとりくむ中で『一歳の差別は一切の差別に通ずる』とのスローガンを生み出しました。2年後、男女定年差別で二つの判断がでました。勝った判決は『差を設けるにはそれなりの合理的な内容が必要』としていました。
 最高裁で勝ったとき、ほとんどの新聞の夕刊一面を飾ったのです。実に32年の長期裁判の決着でした」

もっと大勢の立ち上がりで常識を変えなければ
 「最近、女性差別の裁判で勝利を勝ち取っていますが、どう思いますか」と聞きますと「相手は相変わらずのことをやっているという感じ、私が裁判の一審で負けたときの理由は『給料はたいして差がなく、それぐらいは社会通念上許される』というものでした。そのときも常識を変えなければと思いましたが、全体を変えなければということですね。もっと大勢の人が闘いに立ち上がらなければ、常識とならないのですね。
 日本航空の女性の30歳定年制裁判もそうでした。会社の理由は『30歳になると容色が衰えるから、30歳定年制とした』というもので、そのときの判決が『30歳で容色が衰えるとまではいえない』というもので、『とまではいえない』と笑えない話を笑ったものでした」と。
「何かあれば、お役にたちたい」とまだまだ意気盛んで、たたかいの記録「去れど忘れえぬ日」をプレゼントされました。
(かも記)