「お便りにゅうす」第16号(仲春号)
NTTリストラを許さない家族の会
『お便りにゅうす』(第16号)仲春号
2008年3月16日
 
NTTリストラ松山裁判(2/20)不当判決!
5年4ヶ月一体何を審理してきたのか
裁判所は真実から目をそらさないで!
札幌、東京、大阪に続き、控訴審への
ご支援を引き続きお願いします
 

判決のあとで
NTTリストラ松山裁判
 
のなか のりこ
 

裁判長は七秒間で読み上げた
「原告らの請求をいずれも棄却する。」
「訴訟費用は原告らの負担とする。」
俯いたまま、小さな声で読み上げた
たったの七秒間・・・

「五年間なにを審理したのか!」
「不当判決だ!」
「えっ?うっそ〜・・・」
傍聴者たちの声から逃げるように
裁判官は扉の向こうへ消えた

判決のあと原告の妻が言った
「家で勝利の吉報を待つ父に
なんと言えば・・・」
この五年間父親は 
裁判に勝てさえすれば
必ず息子は地元に戻してもらえると
ひたすら判決日を待っていた

生まれて初めて上申書を書いた
父親は心から「裁判長様」と書いた
大企業NTTのリストラが
どんなに理不尽で
どれだけ年寄りを悲しませたか
ひたすら書いた

「裁判長様」は
決して弱いものを見捨てない
大企業の好き勝手を許すはずがない
ひたすら「勝利判決」を待っている父親に
何と伝えればいいのだろう
原告と家族たちの苦悩は六年目を迎える


高松高裁へ控訴 人権侵害の不当判決は許さない!
世話人代表 野中紀子

 二〇〇二年秋に提訴以来五年四ヶ月が来ようとしています。
 当時、札幌・東京・静岡・名古屋・大阪・松山と、六地裁で裁判闘争を始めましたが、他の裁判原告たちのほとんどは、地元に戻っていますが、唯一、松山裁判・原告三名のみ地元に戻ることなく、うち二名は名古屋〜大阪とたらい回しにされています。
 NTTリストラによる構造改革に真っ向から反対し、体を張って労働者の基本的人権を守るため立ち上がった原告たちに、見せしめ・遠隔地配転を強行し、ベテラン技術者を慣れない営業職に配置し、無駄な人事をしてきました。
年取った両親を悲嘆させ、地元で働き続けていた妻たちの仕事までも奪い、社会的責任を果たす大企業のゆがんだ顔をあくまでも持ち続けることに固執しながら、会社の利益をあげることのみに奔走している日本の大企業・NTTの行状をわたしたちは決して許しません。
 松山地裁は「原告らの請求を棄却」する判決を下しましたが、判決に関係なく原告と原告家族をただちに地元松山に戻すべきです。
 二月二九日高松高裁に控訴し、札幌、大阪、東京に続き、控訴審でのたたかいが始まります。今後とも引き続きのご支援を心からお願いします。

世話人代表 野中紀子

怒りと抗議を短歌に寄せて
 
百五人松山地裁に列をなし判決を待つ冬日射す庭
列に居るNTTの社員たちわが問いにそっと言う「仕事です」
「訴えをすべて棄却する」判決は小さき声でひと言きりで
裁判長さっと席立つ「七秒だ」誰かの声がかすかに聴こえる
怒りの目裁判官の背を射抜く「五年をかけて何調べたか」
原告の三人支えたたかいは高松高裁へまっすぐにゆく
地裁前広場に日差し柔らかく長期戦への決意ふくらむ
 

●愛媛の「家庭破壊・公共通信放棄のNTTリストラに反対する労働者を支援する会」副会長の大澤博明さんより、判決当日の思いを詠んだ歌が寄せられました。


松山裁判判決傍聴記

  

裁判官は一度も前を見ず

福岡 松原絹代
 判決を聞いて エ?何?しばし唖然。そして思わず「ウソー」と言葉が吐いて出た。
 裁判長は出廷から退場まで一度たりとも法廷内をまともに見ることがなかった。
 終始俯いていた。
 裁判長は体制側に、自分の心さえ支配され、自らの意思さえ真っ当に表せない。
 情けない。むしろ憐れにさえ思えた。
 私たちは、この不条理な判決に毅然として立ち向かいましょう。
 全国の労働者の代表としての原告と共に意気高く「面を太陽に向けて」真っ直ぐに歩いていきましょう。
 「原告と家族のみなさん身体に気をつけて、明るく元気な笑顔を忘れないでください」

 妻が仕事を失ったことも「本人の選択」なんて!

静岡原告 石川津由子

起立・礼
「主文・原告の・・・・棄却する。」
 なんと五秒くらいかな、唖然 言葉もアクションもでず。
 怒りを感じ「何で、何を考えてるの」と言葉がでたときには裁判官はドアの向こうへ消えていました。
 「長いものには巻かれろ」なのか、会社の言い分のみを映した判決には憤りだけです。
 矢野さん・石田さんが夫の理不尽な配転に仕事をやめざるをえなくなった事実も「本人の選択」でなんら不利益にはならない、と断じたことも働く女性の一人として許せないことでした。
 夫婦が同居することは法的にもうたわれ、人間の生活として当然の権利です。それをも「会社のためには犠牲にせよ」という判決に今の日本の異常さを感じてしまいました。
 静岡地裁原告の私の判決はこれからです。
 全国のたたかう仲間と一緒にさらに奮闘していきます。

絵手紙 高知・石川由美子

全国のNTTリストラ裁判の予定
東京控訴審は次回3月26日判決の予定!
札幌高裁 第8回控訴審 3月25日(火) 13:30〜
第9回控訴審 5月20日(火) 13:30〜
東京高裁 【判決】 3月26日(水) 13:10〜
大阪高裁 第6回控訴審 4月25日(金) 11:00〜
静岡地裁 第4回証人尋問 3月24日(木) 16:00〜
   最終弁論、【結審の予定】   
松山地裁 不当判決(2月29日高松高裁に控訴) 2月20日(水) 13:10〜
 
 残る地裁判決は静岡判決!
匿名希望さんより静岡裁判原告へ激励のイラストが届きました 

 奥村さん過労死裁判・最高裁上告審3月27日いよいよ判決!
  
 2月21日、午後1時30分から奥村喜勝さん過労死裁判の上告審が、最高裁判所の第一小法廷で開かれ、2006年7月20日に、札幌高裁で会社側の『控訴棄却』判決が出されて以来、1年7か月後の最高裁での異例の裁判となりました。
 裁判では、会社側が「過失相殺」を主張し、奥村さんは基礎的体質として高血圧であり基礎疾患を考慮すべきあること、研修にあたり担当医師に相談もせず、本人から研修不参加の申し出もなかったこと。旭川から滝川に1人で運転し墓地でスコップ作業をしたなどと証拠もない話をむしかえす乱暴な上告理由で高裁判決破棄を求めてきました。
 次回3月27日午後3時30分判決の予定となりましたが、NTTの安全配慮義務違反を社会的に断罪し、2度と奥村さんのような被害者をださないためにも、地裁、高裁に続く最高裁での確実な勝利を勝ち取らなければなりません。全国の皆さん、最後のご支援をお願い致します。