NTT 企業年金裁判 二審も敗訴 
東京高裁 「経営悪化」認めず
勝利判決に沸く訴訟参加の人々

 東京高等裁判所は7月9日、NTTが国(厚生労働大臣)を相手に訴えていた「NTTグループの企業年金の減額申請を却下」した処分の取り消しを求めた控訴審で、NTTの控訴を全て棄却する判決を言渡しました。昨年10月の東京地裁判決は、 「NTTの経営状況が悪化したものとは到底認められない」として、NTTの請求を切り捨てました。今回の判決は、NTTの「年金受給者の犠牲のもとに企業の利益配当を優先する姿勢」を厳しく批判しました。NTTは上告せず、この判決を重く受け止めるべきです。

 「NTTグループの企業年金改悪反対全国連絡会」と「NTT企業年金裁判訴訟参加弁護団」は同日、東京都内の弁護士会館で報告集会を行い、百余人が参加して勝利の喜びを交流しました。

裁判の判決声明
高裁判決を受けて開かれた報告集会
声  明
 
東京高裁がNTTの企業年金減額を認めず
14万人受給者の年金を守る勝利判決
 
2008年7月9日
NTTグループの企業年金改悪反対全国連絡会
NTT企業年金裁判訴訟参加弁護団
 
一、 東京高等裁判所は、本日、NTTが厚生労働大臣を相手に訴えていた「NTTの企業年金 の減額申請を却下」した処分の取り消しを求めた控訴審で、NTTの控訴を全面的に棄却す る判決を言い渡しました。私たちは、この判決を心から歓迎するものです。
二、 NTTグループ67社は、2005年9月13日、確定給付企業年金法に基づき、NTT 企業年金の「受給者の給付利率を下げる年金規約変更」を厚生労働省に対して申請しました。 そのねらいは、「規制緩和路線」に便乗して、企業の自主性と労使自治を口実にして年金切 り下げの「自由」を経営者の手中に収めることにあります。これに対し厚生労働省は、20 06年2月10日、NTT東西の経営状況が受給者の給付減額を必要とするまでに著しく悪 化しているとは認められないとして、規約変更申請を「不承認」とする決定を行いました。 この決定を不服として、東京地裁に減額申請却下決定の取消を求めて、NTTが国(厚生労 働大臣)を訴えていましたが、2007年10月16日、東京地裁はNTTの訴えを全面的 に退ける判決を言い渡しました。この地裁判決を不服としてNTTが控訴していました。
三、 NTT企業年金の受給者517名は、この裁判の結果が「NTT企業年金の受給者の権利」 に重大な影響を及ぼすものであるから、訴訟参加の申立を行い、2006年10月23日、 参加を許可する旨の決定を得て、以降、原告NTTに対し、被告厚生労働省とともにNTT の不当な主張に反論し、東京地裁、東京高裁の控訴審をたたかってきました。
四、 東京地裁判決は、第1に、給付減額は、「企業の自主性、労使の合意(多数決による意思 決定等)のみに委ねるのでなく、加入者等の受給権を保護するために必要な定めを置くこと は、法の趣旨に沿うものである」と断じました。第2に、給付減額が許容されるためには、 「母体企業の経営状況の悪化などにより企業年金を廃止するという事態が迫っている状況の 下で、これを避けるための次善の策として、『給付の額を減額することがやむを得ない』と 認められる場合に限られると解するのが相当である」と述べています。第3に「NTT東西 は、約1000億円前後の当期利益を継続的に計上し、約600億円程度の配当を実施して いたものであるから、・・・『経営の状況が悪化した』ものであったとは到底認められない」 として、NTTの請求を正面から切り捨てていました。
本日の判決は、この東京地裁判決を全面的に支持し、加えて、「控訴人らの主張はつまるところ、企業の経営努力によって計上された利益を配当に充てることを優先すべきであるという主張であ」るとして、年金受給者の年金額を減額するという年金受給者の犠牲のもとに利益配当を優先するというNTTの姿勢を厳しく批判しました。
五、 この勝利は、全国の企業年金受給者の支援、「全国連絡会」に結集する各地の連絡会のた たかい、通信産業労働組合の大きな支援などで勝ち取ったものです。
  このたたかいを支援していただいた年金改悪でたたかっておられる仲間のみなさん、NT Tグループ労働者と年金受給者のみなさん、通信労組、各連絡会に結集されて奮闘されたみ なさんに心から敬意を表するものです。
六、 私たちは、NTTは上告せず、この判決を重く受け止めて、年金減額のあらゆる施策を中 止し、社員と受給者の生活を守る経営姿勢を取り戻すことを強く要求します。
 「全国連絡会」に結集する私たちは、今後ともNTTグループ労働者の企業年金を守るた めに、受給者の年金確保を強く要求し、その実現に向けて奮闘するものです。
以上